五十五話:絶望
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だヴィクトルがハンマーを手に襲い掛かる。
「ファンガ――「イッセー君はやらせないよ!」――ちっ!」
いつの間にか後ろに来ていた祐斗の対応の為にヴィクトルは軽く舌打ちをしながらハンマーの軌道を無理やり変えて祐斗の剣を弾き飛ばす。その事に驚愕の表情を浮かべる祐斗だったが、すぐにそんな事をしていれば殺されると心を引き締めて後ろに下がりながらあらかじめ用意しておいた聖魔剣を取り出す。その間にイッセーの方も撤退して祐斗の隣に立つ。
「悪いけど、僕達はあなたと違って一人で戦っているわけじゃないんだ。そこら辺を理解してもらえると助かるかな」
「ふっ……確かに一人よりは仲間と戦った方が心強いだろうな―――だが、私にはそんな物は必要ない!」
怒りと悲しみが混ざったような叫び声を上げてヴィクトルは、今だとばかりに火車を振るって攻撃を仕掛けて来た小猫の腹をカウンター気味に蹴り上げて、同じように向かってきていたゼノヴィアへとぶつける。その為にゼノヴィアは小猫を受け止めるために受け身を取らざる得なくなり、足を止める。
そうして作りだした隙をヴィクトルが利用しないはずがなく、双銃で二人に目掛けて鉛玉を乱射する。それに対して思わず身構えてしまうゼノヴィアと小猫だったがギャスパーがヴィクトルの銃弾を止めたことで事無きを得た―――かのように見えた。
「仲間という物は時に足枷になるぞ」
「しまった!? 小猫!」
「きゃあああっ!」
かん高い悲鳴と共にゼノヴィアが受け止めたが為に身動きが取れなくなっていた小猫の体から血しぶきが吹き上がる。そして、二人の目の前には自らが放った弾丸よりも速く移動してきたヴィクトルが右手に血濡れた剣を持ち、左手に銃を持ちその銃口を小猫の額に押し付けた状態で立っていた。ヴィクトルが先程小猫をゼノヴィアに受け止めさせたのはこのためなのである。
「終わりだ」
そう冷たく言い放って引き金を引くヴィクトル。ゼノヴィアはこのままでは小猫が殺されてしまうと判断して咄嗟に小猫を庇うように自らの体を捻って銃口を小猫の体から引き離す。だが、自分自身までもが避けることは出来ずに銃弾をまともに体に受けてしまう。しかも、それだけに終わらずヴィクトルは無表情のままその肢体に銃弾を撃ち込み続ける。その痛みにくぐもった悲鳴を上げるゼノヴィアだが決して小猫を離すことはせずに盾になり続ける。
「二人から離れなさい!」
「くっ! 私だけに正確に雷を落とすとは……どうやら以前よりはマシになったようだな」
大切な後輩達がいたぶられる様子に耐え切れなくなった朱乃が非常に繊細な技術でヴィクトルだけに雷を落として二人から引きはがす。コントロール重視で威力は弱かったものの雷を受けたヴィクト
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