五十五話:絶望
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すぐさま双剣を抜き放ちグレモリー眷属達に斬りかかっていくヴィクトル。それに対してすぐに反応したゼノヴィアがその斬撃を受け止める。その間に祐斗とイッセーと小猫がゼノヴィアの援護の為にヴィクトルに近づき、リアス、朱乃、ギャスパー、アーシアなどの後衛向きの人間は後ろに下がり援護に回る。
「……くらえ!」
「おらっ!」
「いくよ!」
前には鍔迫り合いを繰り広げている最中のゼノヴィア。右からは猫又の特徴である耳と二本の尻尾を生やして闘気を纏った小猫の蹴り。左からは禁手になったイッセーの拳。そして後ろからは祐斗による高速の剣技が同時にヴィクトルに襲い掛かる。四方を囲まれて同時に攻撃を受けているヴィクトルはすぐさま受けることは不可能と判断してその場から飛び上がり、回避する。
しかし、空中に居る無防備な時間を彼等が逃すはずもなく後衛に回っていたリアスと朱乃が無数の魔力弾を雨あられのようにヴィクトルへと撃ちだす。だが、その程度の攻撃に当ってやるほどヴィクトルは優しくない。一瞬でどれが自身に当たるかを見抜き、空中で体を捻りながら避けられるものは最小限の動きで躱して、避けられないものは切り裂いて消失させていく。しかも、おまけとばかりに剣で魔力弾をはね返すという荒業を見せ、何事もなかったかのように着地する。
「毎度思うけど、あんたって本当に人間なのか?」
「人間さ……いや、執念のみで生きている私は化け物と言った方が正しいかもな」
「……止まる気はないのかよ?」
「もう……止まれないのさ」
イッセーの言葉に少し寂しげにそう返してヴィクトルは素早く双銃に持ち替えて凄まじい連射を行う。イッセーはそれに対して反応が出来ずに鎧の上からまともに銃弾の雨を浴びせられ、赤い鎧の破片が飛び散りそれが一輪の赤いバラの花が散っていくように辺りに飛び散る。
彼が使った技は『ブラッディブレイズ』だ。イッセーはもし、鎧を纏っていなければこの赤いバラは自身の血で構成されていただろうなと思い、肝を冷やす。しかし、怖気づいていては話にならないので、鎧で攻撃が通らないことを信じてヴィクトルへと突っ込む。
「負けるかぁぁぁあああっ!」
「心意気は買うが、無謀だな、赤龍帝。エイミングヒート!」
「くそっ! 炎で前が見えない!」
双銃を軽く一回転させた後に炎の弾丸を撃ちだし、イッセーを火だるまに変えるヴィクトル。イッセーの方としてはドラゴンの鎧を身に付けているためにそこまで熱さによるダメージは受けてはいないが、燃え盛る炎により視界を塞がれたことでヴィクトルを見失ったことが痛い。そして、危惧した通りにすぐそこに敵は迫っていた。骸殻の部分開放による高速移動により一瞬にして後ろに回り込ん
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