八月某日、君に良く似た死神を見た
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『迎えに来やした』
頭の中に懐かしい声が響き、再度伸びてきた指先が愛おしそうに俺の頬の雫を拭う。流れる度に何度も、何度も。
そうか。俺ももうそっちに逝くのか。
「……悪ィ、近藤さん。迎えが来たみてェだ」
繰り返し触れる指先が気持ち良くてそっと目を閉じる。遠くで近藤さんが叫んでいる。俺の意識はそこで途絶えた。
迎えに来たのがお前で良かった。俺の魂なんざお前にくれてやるよ。
お前になら、何だってくれてやらァ。だから早くこのモノクロの世界から俺を連れ去って。
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