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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-15 紡ぐ未来のその先へ
Story15-7 鍍金の勇者
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アスナが完全に消え去ったあと、俺は体をどうにか持ち上げて呟いた。

「そこにいるんだろう、ヒースクリフ」

『久しいな、キリト君。もっとも私にとっては、あの日のこともつい昨日のようだが』

「生きていたのか?」

「私は、茅場晶彦という意識のエコー……残像だ。生きているともそうでないとも言えない」

「分かりにくいな。とりあえず礼を言うけど…………どうせなら、もっと前に助けてくれてもいいじゃないか」

『それはすまなかったな。実は、システムに分散保存されていた意識が一つになったのがシャオン君のおかげで、先にシャオン君を助けていたのだよ』

「…………あいつは、助けたのか?」

『さぁ……それは本人に聞くといい。私が助けたときには、フローラくんがかなり危なかったがね。

それと、礼は不要だ。私と君たちには無償の善意が通用するような仲ではないだろう。常に代償は必要だよ』

「何をしろと言うんだ」

すると……遥か遠い闇の中から、何か銀色に輝くものが落下してきた。手を差し出すと、卵形の結晶が収まった。

「これは…………?」

『それは、世界の種子だ。

芽吹けばどういうものか分かる。判断は君に任せる。もし、君があの世界に憎しみ以外の感情を残しているのなら…………』

「…………俺はいつか、相棒と共にアンタの世界を復活させるよ」

『ふふ…………そうか。では、私は行こう。いつか、また会える日を楽しみにしているよ、キリト君』


気配が消え去り、俺は思い出したように顔を上げた。

「ユイ、いるか? 大丈夫か!?」

その瞬間、暗闇が割れた。さっと差し込んだオレンジの光が暗幕を切り裂き、同時に風が吹いて、みるみるうちに払っていく。

気がつくとそこは鳥籠の中。目の前に光が凝縮し、ユイが現れた。

「パパ!!」

ユイが俺の胸に飛び込んできた。

「無事だったか。よかった…………」

「はい…………突然アドレスをロックされそうになったので、ナーヴギアのローカルメモリに退避したんです。でももう一度接続してみたら、パパもママもいなくなってるし…………心配しました」

「ママは戻ったよ……現実世界に」

「そうですか……よかった……本当に…………!」

ユイは目を閉じて俺の胸に頬を擦り付けた。その顔に、かすかな寂しさの影を感じて、俺はユイの髪をそっと撫でた。

「また、すぐに会いに来るよ。でも……どうなるんだろうな、この世界は…………」

「わたしのコアプログラムはパパのナーヴギアにあります。いつでも一緒です。

あれ、でも変ですね。なんだか大きなファイルがナーヴギアのストレージに転送されています。アクティブなものではないようですが…………」


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