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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-15 紡ぐ未来のその先へ
Story15-7 鍍金の勇者
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…アンタ…………また邪魔するのか!?

死んだんだろう!? くたばったんだろう!?いつまで僕の邪魔をするんだ!? いつも何もかも悟ったような顔して……僕の欲しいもの片っ端からさらって!!」

須郷は不意に俺に剣を向けてわめいた。

「お前に分かるのか!? アイツの下にいるってことが……競わされるってことがどういうことか分かるのかよ!?」

「解るさ。俺もあの男に負けて家来になったからな。でも、アイツになりたいと思ったことは一度もなかった」

「ガキ…………このガキが…………このガキがぁぁぁぁ!!」


俺は決着をつけるべく、身構えた。

須郷が剣を構えて突進してくるが、俺は間合いに入ったとたんにソードスキルを発動した。

撃二刀流スキル27連撃技〔ジ・イクリプス〕が発動し、須郷が悲鳴をあげる時間すら与えない。

俺のダークリパルサーが須郷の右目を貫いた瞬間、須郷が白いエンドフレイムに包まれた。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






軽く剣を薙いだだけで鎖はちぎれ、俺は崩れ落ちるアスナを抱き止めた。

俺の体もエネルギーが尽きたかのように床に膝をついた。腕の中のアスナを見つめる。

「…………うっ…………」

やるせない感情の奔流が涙に姿を変えて俺の両目から溢れだした。

「ごめん……遅くなった…………!」

「信じてたよ……ううん、ずっと信じてる。これまでも、これからも、君は私のヒーロー…………いつでも助けに来てくれるって」

違うんだ……本当は何の力もなくて…………

そんなことを思ったが、口から出たのは違う言葉だった。

「そうあれるように…………頑張るよ。さぁ、帰ろう」

左手を振ると、複雑なシステムウィンドウが出てきた。直感だけで階層を潜り、転送関連のメニューを表示させると指を止めた。

「現実世界は、多分もう夜だ。でも、すぐに君に会いに行くよ」

「うん。待ってる。最初に会うのは、キリト君がいいもの」

アスナはふわりと微笑んだ。澄みきった視線で、どこか遠いところを見つめながら、囁いた。

「ああ……とうとう終わるんだね。帰るんだね……あの世界に」

「そうだよ。色々変わっててびっくりするぞ」

「ふふ……いっぱい、いろんなとこに行って、いろんなこと、しようね」

「ああ。きっと」

俺は大きく頷くと、一際強くアスナを抱きしめ、右手を動かした。ログアウトボタンに触れ、ターゲット待機状態で青く発光する指先で、アスナの頬を流れる涙をそっと拭った。

その途端、アスナの白い体を、鮮やかなブルーの光が包み込んだ。少しずつ、確かに水晶のように透き通っていくアスナの体を、最後の一欠片になるまで抱き締めていた。


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