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Fate/Modification 〜13人目の円卓の騎士〜
第1部 旅立ち
第2話 食事って大事だよね
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出来ない。
無論、彼を信じられない気持ちはわかる。
だが、彼と剣を打ち合ってわかった。
彼は悪徳を働くサクソン人の様な野蛮人でもなければ、盗賊の様な蛮族でもない。
彼の剣には決定的な力強さと、身を削る程の努力が見て取れた。
彼が悪徳を働くなどあり得ない。
その気なら昼間の内に私を襲えた筈だ。
だが彼はそうしなかった。
今までの態度が嘘である可能性もあるが、私は彼を信じた。
誰に対しても手を差し伸べ、救済を与え、武を極める。
其れこそが騎士の本懐である筈だ。

騎士を目指すのであれば、彼を救うのも……私の目指す騎士道の、避けては通れない道なのだ。

「私は賛成します」
「んむ??」
「母上ッ??」

母が微笑みながら申し出を受け入れた。
兄と父の顔が驚きに満ちた。

「あの頑固で真っ直ぐで、私達に意見もした事ないアルトリアが押す男性ですもの。
私はアルトリアの意思を尊重します」
「ん……」
「何を言うのです母上ッ??
こんな馬の骨にアルトリアを守れる筈がありませんッ??」
「ケイ、我が息子。
貴方はそろそろアルトリアから自立しなさい。
アルトリアとてもう15……色めき立つのも仕方ない事でしょう」
「「「な……ッ??」」」

母の言葉に父と兄と一緒に勢い良く立ち上がる。
話題の種である彼は、我介さずと不思議な紙巻きのタバコを吸いながら遠い目をしている。

「は、ははは…母上ッ?? 何を仰いますかッ??
わわわ、私は女を棄てた身ッ?? ここ、恋など……私がそんな物にうつつを抜かす訳が……」
「そ、そうです母上ッ?? 騎士として生きる為に、アルトリアは女である事を棄てると我々の前で誓ったではありませんかッ??」
「…………」

発言に真っ向から否定する私達を見ながら、母はコロコロと笑った。

「ふふ、でもアルトリア……今の貴女は昔の私そっくりなのですよ。
ねえ、貴方?」
「…………」

立ち上がったまま気絶した父に話しかけながら母は真っ直ぐ彼を見た。

「それにケイ、彼の素姓に疑問を持つのなら、彼と剣を交えてみればよいではないですか。
騎士にとって剣とは己の心そのもの。
剣を携える者同士、決闘で語り合うのが筋でしょう」
「そ、それは……そうですが…………」
「決まりですね。
……貴殿も剣を携えている身、異論はありませんね?」
「……ええ、まぁ。
…構いませんが……」

流石の彼も驚きを隠せない様で、大きく見開いた目で私達を見ている。

「では明日の朝、街の広間で大々的に決闘を行います。
武具は何を使用しても結構。
騎馬を用いても構いません。
真剣同士で、存分に語り合うのです。
いいですね?」
「わかりました……母上」
「了解した、精々期待に
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