暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/Modification 〜13人目の円卓の騎士〜
第1部 旅立ち
第2話 食事って大事だよね
[2/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
山羊の乳、水。
それなりに量がある。
次に調理器具。
これはもう御察ししてください…みたいなレベルだ。
鍋や釜はあるが、包丁やまな板なんかありもしない。
俺は少しばかり思考を巡らせ、魔術回路を開いた。
「
同調開始
(
トレース・スタート
)
」
師匠直伝の投影魔術で包丁とまな板を作り出し、徐に肉に手を置いた。
???
「参りました」
「だから何がだよ……」
私、アルトリアことアーサーは今、猛烈に感動している。
舌に絡む肉汁と香ばしい香り。
黒胡椒のピリッとした辛さも程よいアクセントになっている。
これが今まで食べていた猪の硬く臭みの強い肉塊と同じ物だと誰が信じられようか。
否、誰もが否定するだろう。
「所で、貴方はこの後どうするのですか?
行く当てはあるのですか?」
「さぁてな、名前は忘れたが…生きて行く術を忘れた訳じゃない。
気儘に戻る方法を捜すさ」
彼は肉を掴んだ手を、懐から取り出した布で拭いてエールを仰いだ。
「なら、我が屋敷に仕える気はありませんか?」
「は?」
「帰る方法について私がどうこうできる訳ではありませんが、生きて行く以上、金銭の類はなくてはなりません。
私が貴方を雇い、身仕度を整えてからでも遅くはないでしょう」
「……まぁ、一理あるな」
彼の同意を得た私は、暫く思考を巡らせた。
雇い入れる、と簡単に言ったが、父や兄が許すだろうか?
父を説き伏せることは出来るだろうが、兄…ケイを説得するのは難しいだろう。
替えのエールに口をつけながら、私は思考の海に沈んでいった。
???
「ダメだッ?? 俺は許さんぞアルトリアッ??」
その夜、帰って来た父や兄、母と共に壁に寄りかかって話を聞き流している彼について話し合いを始めて直ぐに、兄…ケイが怒声を張り上げた。
「何処ぞの馬の骨とも分からん奴に従者を任せる≠セとッ??
然もこの男はお前の秘密を知っていると言うではないかッ??
100歩譲ってお前が女児の身で騎士となる事は許そうッ??
だが、こんな男にお前を任せる訳には行かんッ??」
「彼の強さは本物ですッ??
私は今日…つい先程、手合わせをして頂きましたが、手も足も出なかったッ??
それに彼の強さには迷いも邪念もありませんでした……。
私は彼を従者にすると決めたのですッ??」
「まだ元服前だというのに、何を言っているんだお前はッ??
幾らお前の願いでもそれは絶対に私達は認めないぞッ??
そうですね、父上ッ??」
「ん、んん?? ……う〜む……」
父、エクターは顎鬚を摩りながら目を逸らし、隣でニコニコ微笑んでいる妻を見た。
家令である父と、次期当主である兄を説き伏せなければ彼を従者にする事は
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ