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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第二八話 一線
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の野花を連想させる。
彼女が傍に居る、そして自分に笑みを向けてくれている―――それだけのことなのに、体が震えるほどに歓喜が心を満たす。
「ねぇ、忠亮さん……」
「なんだ?」
「辛いと幸せってなんだか似ていますよね、字も一本線が有るか無いか。―――たとえですけど、重病でもう幾ばくも無い人でも幸せそうな人も居れば逆に何でもない病でも辛さを訴える人も居る。
たぶん、幸せと辛さって実は紙一重のとても近いモノだからと思うんです。」
「何となくだが、お前の言わんとしている事は分かる―――己も実感しているからな。」
かつての自分と今の自分、その違いは立場や傷なんぞ関係ない。
己の本質は不変、何も変わっていない。
あのどうしようもない渇きと飢え、心が満たされず辛苦だった日々―――なのに、唯依という線が一本増えただけで己はこんなにも、今幸福を実感している。
「忠亮さんは、私にとってその一本の線なんです。―――掛け替えのない。大事な一線なんです。だから其れだけは忘れないでください。」
「ああ、分かっている。忘れはしないさ……お前も己の一線だ。」
見下ろす愛しい
―――世の中、悲劇なんて腐るほどに転がっている。
世界は残酷で、醜くて、悍ましい修羅の地獄だから。
だけども、辛いを幸せに変えることの出来るその一本の線、きっとそれは愛する者、希望、信念……
人によって様々な一本の線、それを見つけて辛さを幸せに変える、それを見つけ出すのがきっと、人間の知恵―――ってものじゃないのか。
そう、思った。
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