成長編 素材
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「ああぁぁ〜〜!?」
「い、一瞬で、ですか……」
確かリーゼロッテさんってエースクラスの近接型魔導師だったはずだよね? それが一瞬って……そもそもどんな大ポカをやらかしたらサバタさんと戦う事になるんだろう?
自分の最大の失敗を簡単にバラされてリーゼロッテさんが涙を流して落ち込み、リーゼアリアさんは彼女の事を無視して当時の話の続きを教えてくれた。
「その後も変装魔法が切れて正体を見られたり、上空にアースラがいるのに報告しない魔導師がいる事で疑問を抱かれたんだけど、自分達は敵じゃない事を何とか理解してもらったのよ。その時にお金の持ち合わせがなくて、翠屋っていうお店で彼に食事をおごってもらった社会人は、今ここでみっともなく落ち込んでるわ。そうでしょ、“ねとねと”?」
「ぐすっ……あの屈辱的な仇名まで……! 全部バラさなくてもいいでしょぉ〜! アリアのバカァ!!」
あぁ〜、なるほど。その時にあの廃病院の事を教えてもらったんだね。となるとあの時はまだ会って間もないどころか、さっき会ったばかりの頃だったんだ。私は途中から盗み聞きしていたんだけど、なんでリーゼロッテさんがジュエルシードの所在を知ってるのかという事について、今になってようやく納得がいった。
リーゼロッテさんが真っ赤な顔で泣き去っていったけど、誰も追いかけて行かなかったのが哀愁を誘った。しばらくして誰も呼びに来なかった事から恥ずかしげにトボトボ戻ってきた彼女を見てると、余計涙を誘われる。なんか不憫だなぁ、あの人。
そうして見学を終えた私達はリーゼ姉妹にお礼を言った後、フェイトちゃん達が観賞会を開いている休憩室へ戻ってきた。ちょうど映像の再生も終わったようで、サバタさんとエレンさんの壮絶な過去に、皆衝撃を受けていた。聞く所によると、特にザジさんの話が印象的だったらしく、フェイトちゃんは時の庭園突入前の自分を思い出して感情移入して号泣し、プレシアさんはなんか後悔で狂乱しかけていたらしい。最後の記憶が無くなるという部分では、マキナちゃんが自分と似てる所があると思ったのか、悲しそうな顔をしていた。
「サバタさんとエレンさんが知り合いだった理由は、これでよくわかったわ。潜入任務は生半可な精神では到底こなせないのに、エレンさんがサバタさんなら任せられるとすぐに判断したり、サバタさんがすぐに承諾出来たりしたのは、元から二人の間に強い信頼関係があったからなのね」
「昔の仲間だったのなら、そりゃ気心も知れているか。しかし、あのエレンにこんな過去があったとは、僕は一切気付けなかったな……」
「私、ずっと思ってたんだ。エレンさんがどうしてあんなにお兄ちゃんやサルタナさんに対して滅私奉公主義なのか知りたかったんだけど、この話の内容がその理由だったんだね」
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