80章 マイケル・ジャクソンを絶賛する、川口信也
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も、そう思います!詩織さん!」
詩織の向かいに座る利奈が、そういって、無邪気な子どものようにわらう。
「詩織さん、わたし、ギターを練習しているんですけど、弦を押さえる指先が、
いつまでも痛くって、実は困っているんです。そのうち、痛くなくなるのかなって、
思っているんですけど。痛くなくなる、いい方法って、何かあるんでしょうか?」
利奈は、いつも清らかで、すっきりしている詩織の容姿に、好感を持っている。
「まぁ、利奈ちゃん、それは、それは。わたしもギターを始めたころは、指先が痛くってね。
誰でもみんな同じなんですよ。そのうち、指先の皮膚がそれになれて、固くなったりして、
痛くなくなるんだけど。もうひとつの方法としては、やわらかい弦にするとか、
思いきって、アコースティックギターから、エレキギターに換えちゃったら、どうかしら。
ね、しんちゃん!?」
「そうだよね。利奈ちゃん、エレキの、テレキャスターとかに換えてみようか?!
おれ、利奈の音楽のためにプレゼントさせてもらうから。ね、利奈ちゃん!
あっ、おれ、気前よくなって、すっかり、このビールで酔ってるわ。あっはは」
「ありがとう!お兄ちゃん!」
信也と利奈の、そんな会話に、みんなも、声を出してわらった。
利奈にとって、7つ違いの信也は、利奈も思わず吹き出して、わらってしまうくらいに、
子どもっぽい性格の一面もあるが、いつも頼りになる、しっかりした兄である。
「ところで、利奈ちゃんさぁ」
「なぁに? しんちゃん」
「利奈ちゃんが、この前、ロバート・ジョンソンの夢を見たっていうのには、
笑っちゃったんだけどさ。あはは。でもね、利奈ちゃんのギターの師匠が・・・、
1年の菊田晴樹って言ったっけ、彼は、なかなかの音楽センスのある男だと思うけど、
利奈には、ロバート・ジョンソンは、ちょっと、どうかなって、おれは思っているんですよ。
つまり、おれの言いたいことは、ミュージシャンとしての目標としての、
ロバート・ジョンソンは、ちょっと無いんじゃないかなって、ことでさぁ。あっはは」
「わたしだって、女なんだし、ロバート・ジョンソンみたいになりたいなんて、思ってないもん!」
「そうよ、しんちゃん、利奈ちゃんは、ちゃんと、先のことは考えているのよ。
ロバート・ジョンソンのようなギターのテクニックを身につけるってことよね、利奈ちゃん」
「そうなんですよぉ、詩織さん。せっかく、晴樹くんのような、ギターの上手な師匠がいるんですから。
わたしって、知らず知らずのうちに、音楽に関しては、お兄ちゃんからの影響があるって、
よく思うんですけど。でも、よく考えてみたら、
しんちゃんって、どんなミュージシャンを
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