2ndA‘s編
第十六話〜生誕〜
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粛の空間。それを絶ったのは主の何気ない一言であった。
「おかえり」
はやては夜天の書に取り込まれている間に、自分の家族が何をしていたのかを情報として理解していた。そしてそれを知った上で、彼女たちが生きて自分の元に戻ってきてくれた事を喜んだのだ。
無事に帰って来た相手を出迎える言葉。それは孤独な生活を送っていたはやてが他人に向けることを渇望していた言葉であった。
「はやて!」
その言葉を受け取った騎士の一人であるヴィータは溢れた気持ちを――――感謝の気持ちを伝えるようにはやての胸に飛び込んだ。
「主、すみません。我らは言いつけを――――」
「知っとるよ。でも、それ以前に私らは家族やから」
その言葉にどれだけの意味が込められたのかは当人達しかわからなかったが、それを聞いた守護騎士の残りの三人は感謝の意を込めてはやてに対して少しだけ頭を下げた。
「すまない!水を差してしまうのだが……」
家族間のやり取りを行っていると上空から声が届いた。
はやて達が声のした方に視線を向けると空から降りてくる複数の魔導師の姿があった。
「時空管理局所属、執務官のクロノ・ハラオウンだ」
彼が身分を簡潔に告げ、岩場に着陸するとはやての傍にいたヴォルケンリッターたちは反射的に身構えるが、はやてが軽く手を上げることで大人しく引き下がる。そんな中、シャマルは一人手を耳にあて、クロノたちから視線を逸していた。
名乗りをあげたクロノと一緒にはやて達の元に降り立ったなのはとフェイトは、彼女たちが聞きの姿勢をとってくれる事に内心で安堵していた。
「管理局側の姿勢としてはそちらの事情を加味した上で話し合いの場を設けたいと考えている」
その言葉は意外だったのか、騎士たちは驚いたような表情を浮かべる。
どんな事情があれ、犯罪行為を行ったことに変わりがない為、譲歩の意志を向こう側から見せたことが意外だったのだ。
「それと先程まで迎撃プログラムと戦闘を行っていた魔導師はどうした?ここに来る関係で彼がどうなったのか確認していないのだが……」
「ライさんですか?あの人なら今うちの子が――――」
少しバツの悪い表情をしていたクロノに対して、はやては海面に視線を移しながら返事を返した。
「はやてちゃん、そろそろ戻ってくるらしいので私が治療に向かいますね」
これまで手を耳にあてていたシャマルがそう言って、海面の方に向かって飛んでいく。すると彼女の言葉通り、海中からライを抱くようにして抱えた管制人格が姿を表した。
「!」
息を飲んだのは誰だったのか。
管制人格に引き上げられたライの姿は見るに耐えないほどにボロボロであった。バリアジャケットは所々が破れ、パラディンの装甲
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