鎧武外伝 斬月編
思い出はなくとも
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こうとした。
その弟妹の前に立ちはだかった者がいた。
「DJサガラっ?」
「ぃよう。久しぶりだなあ。アーマードライダー龍玄。リトルスターマインのお嬢サマ」
ダークスーツ姿のサガラは、おもむろに碧沙と光実の頭を両手で掴んだ。
「悪いが今さっきのことは忘れてくれ。知るにはまだ早すぎる」
急速に意識が遠のいていく。
(だ、め。朱月さん、貴兄さん、たすけにいかなきゃだめ、なのに)
ぐるんと視界が回り、リノリウムの冷たい床に光実ともども倒れたのを最後に、碧沙も意識を失った。
凌馬は足を組み、その片膝を両手で抱えた。
見据えるのはもちろん、サガラだ。
「意外だね。まさかキミが私個人を助けてくれるとは」
「お前じゃないさ。これも時間の強制力ってやつだ。ここでこいつらが呉島貴虎にお前の真意を教えるのも、ヘルヘイム抗体のことを知るのも、まずいんでね」
「運命論かい? ここから先も何が起きるか決まっていると?」
「それはまた次に会った時にでも教えてやるさ。お前も。今日のことは、俺が何をしなくても自然に違和感をなくしていくだろう」
「面白そうな体験なのに、私はそれを面白いとも感じなくなるのか。もったいない」
「メインディッシュは最後にしたほうが美味いって言うぜ? じゃあな。戦極凌馬」
サガラと、床に横たわっていた光実、碧沙が、消えた。
(まあ。本人の言うように『次』があるんだ。それを楽しみに待とうじゃないか)
凌馬は薄く笑って、立ち上がって外出用のコートを着た。
この弟妹の言葉を借りるなら、ある一つの「関係」を断ち切りに行くために。
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