After5 見過ごしちゃいけない
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ぶ月花は危うげなく避けた。
黒影にせよ龍玄にせよ、言われずとも月花の意図は分かった。
彼女は、彼らが必殺の一撃を叩き込むための隙を、サメインベスに作り出そうとしているのだ。
空飛ぶ月花との攻防で、サメインベスの白い腹がこちらに向いた。
『ここだ! 決めるぜ、ミッチ』
『了解。城乃内さん』
黒影が影松を、龍玄がブドウ龍砲を構え、それぞれカッティングブレードを1回切った。
《 マツボックリスカッシュ 》
《 ブドウスカッシュ 》
月花は気づいたようで、高く空に舞い上がった。これで余波で傷つける心配はない。
『『はあぁ!!』』
振り下ろされた影松からのショックウェーブが、トリガーを引かれたブドウ龍砲から放たれた紫のエネルギー弾が、サメインベスに直撃した。
『あ、ああああああ、何だこれ。熱いよ。血が煮えるよ。なんかバチバチいってるし。ねえ僕これからどうな――』
最後まで言い切れることはなかった。
サメインベスはその前に爆散した。
城乃内はロックシードを閉じて変身を解き、サメインベスの焼け跡を見下ろした。
(今まで散々殺してきたくせに、自分が死ぬのはどういうことか分かってなかった。身勝手な奴)
ふり返れば、咲も光実も変身を解いていた。咲が光実に助けてくれた礼を言っている。
「タイミングばっちしだったね。どうして?」
「こっちのほうの表通りの店にちょっと用があって。そしたらドンパチやってるのが聞こえたから、つい。でも来てよかった。二人とも無事で。二人は?」
「あたしんち、こっちの方向だから」
「俺も。で、途中でばったり会ったから、俺が送ってくってことになってさ」
「なるほど。何にせよ全員タイミングがよかったってことですね」
「よかったって言っていいかは……ちょっとな」
悲鳴を上げた時点でまだあの女子は生きていただろう。だが、城乃内たちが駆けつけた時には、女子は事切れていた。
もっと速く公園に着いていれば、命は拾えたかもしれないと思うと、やりきれなかった。
「あの、元気、出して。城乃内くんのせいじゃないよ」
「らしくないのは分かってる。葛葉みたいにインベスが出たら真っ先に自分が駆けつけて人助け、なんて。でも」
城乃内は苦笑し、マツボックリロックシードが嵌ったままの量産型ドライバーを、見下ろした。
「これ着けてるからには、見過ごしちゃだめだと思ったんだ」
「城乃内くん……」
「さて! さすがに警察来たらこの状況、説明できないからな。110番したら一旦ここから離れようぜ」
…………
……
…
――その男は、アーマードライダーたちとサメインベスの戦いを、
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