7部分:第七章
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物だったんだよ。住職さんも人間から化け物になっちまっていたのさ」
「そういうふうに変わっていたんだ」
「御主人のさっきの言葉の通りだったらな。結局住職さんはああなるしかなかったんだ」
「そうだったんだ」
「だから別に人を殺したとかそんなふうに考える必要はないぜ。若し思ってたら、だけれどな」
「別にそうは思ってないよ」
「それじゃあそれでいいさ。じゃあ早く帰ろうぜ」
「うん」
晃は頷いた。
「早く帰って。キャットフードくれよ」
「ミルクもつけようかい?」
「ああ、頼むぜ」
晃とクロはそんな話をしながらお寺の前から去り、自分達の家へと帰って行った。その後ろでは温厚そうな顔をしたかっての住職さんの遺影が飾られ、そこで葬式が行われていた。そこにいるのは人間としての住職さんであった。そして晃とクロはその住職さんに今別れも告げていたのであった。
それからこの街で人の言葉を話す動物達の姿も噂もなくなった。だがそのことと住職さんの死が関係あるのだと考える者は一人もいなかった。だが事実を知っている者達はいた。しかしそれは決して表には出ないものであった。事の真相は話さない筈の動物達が知っているだけであった。
晃とクロ 〜動物達の戦い〜 完
2006・3・26
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