シリルの昔話
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
。
ジェラールはそんな中どこか遠くを見つめていた
「どうしたの? ジェラール」
「いや……なんでもないよ」
俺の問いかけにそう答えるがジェラールはどこか上の空だった
「ねえ……これからどこへ行くの?」
「さぁ。どこがいいかな?」
「本当に何も考えてないんだ……」
「まぁね」
俺の問いにジェラールは照れたように返す。ジェラールってしっかりしているようで実はちょっと抜けてるのかもな
「私たちもついていっていい?」
ウェンディがジェラールの手を握る。ジェラールはそれに笑顔で答える
「もちろん!!」
「「ありがとうジェラール!!」」
俺とウェンディはジェラールに笑顔で言う。
「どういたしまして」
ジェラールは空いている方の手で俺の手をとると三人で歩き始める。
ジェラールと出会ってからは俺とウェンディは毎日が楽しかった。俺はそんな日々が永遠に続くと思っていた。でも……別れは突然に訪れた
――――
ジェラールと出会って一ヶ月ほどたったある日、俺たちは三人でお話ししながら歩いているとジェラールは後ろを振り向いて
「アニマ!?」
突然訳の分からないことを言い出した
「アニマ?」
「なに? どうしたの?」
俺とウェンディはジェラールに聞く。すると突然水滴が頭に落ちてきた。俺は上を見上げると雨が降り注いできた
「やば!!」
「あっちの森で雨宿りしよう!!」
「うん!!」
ジェラールは俺とウェンディの手をとると森に向かって走る。そして木が何重にも重なっていて雨の当たらないところで雨宿りした。
「君たちとの旅はここまでにしよう」
「「え!?」」
ジェラールが突然そんなことを言い出した。
「いや!! 私たちも一緒に行く!!」
「ダメだ!!」
「どうしてダメなの!?」
「これから行くところはとても危険なんだ」
俺の問いにジェラールはそう答えた。
「どうしてなの!? ジェラール!! 離れたくないよぉ!!」
泣きそうになるウェンディ。俺もジェラールと離れたくない。
ジェラールはそんな俺たちを見て困った顔をする
「この森を抜けたらギルドがある。そこに君たちを預けるからね」
「いや!! 離れたくない!! 一緒にいる!!」
ウェンディはジェラールに抱きついていっぱい泣いた。ジェラールはますます困った顔をしたのを見て俺はその場に立ち尽くすしかなかった
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ