シリルの昔話
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こんな俺たちがついていって迷惑にならないのかな?
「それに俺も一人じゃ寂しいんだ。君たちも一緒なら楽しい旅になると思うんだ」
「行く!! 私もジェラールと旅にいきたい!!」
ジェラールの言葉にいち早く反応したのはウェンディだった。ウェンディは涙を拭うとこちらに駆け寄ってきて抱きつく
「ねぇシリル!! 一緒に行こう!!」
「……うん!! 行こう!!」
ウェンディが笑顔になったのを見て俺は嬉しくなった。俺とウェンディは手を繋いでジェラールに近づく
「これからよろしくお願いします。ジェラールさん」
「よろしくね!! ジェラール!!」
「あぁ!! よろしく!! それとシリル。俺のことは呼び捨てでいいよ!!」
「いいんですか?」
「あぁ!! だって俺たちは一緒に旅をする仲間なんだから!!」
ジェラールの笑顔になぜかドキッとしてしまう俺。仲間と言われて嬉しい気持ちもあったからなのかも知れない
「さぁ、行こう!!」
ジェラールは俺たちの手をとり歩き出す。そこから俺たちは一緒に旅をした
―――――旅を始めてしばらくして
「ジェラール……なんか天気があれそうだよ?」
その日は俺たちは草原を歩いていたのだがさっきまでまぶしく輝いていた太陽が黒い雲によって覆われている。
するとすぐに雨が少しずつ降ってくる
「まずいね……どこかで雨宿りしないと」
ジェラールも空を見上げながら言う。すると突然雷が光り
ゴロゴロゴロ
「きゃあっ」
大きな音がするとウェンディが俺にしがみついてくる
「大丈夫ウェンディ。ジェラール! とりあえずどこかで雨宿りしよう!!」
「そうだな。あっちに大きな木があるみたいだしそこで雨宿りしよう」
ジェラールが指を指した方向には確かに大きな木があって、それは雨を凌ぐのにはちょうどいい場所だった。
俺たちはその木に急いで走っていった。
「これで大丈夫かな?」
「だね」
「うぅ……ひっく……」
安心する俺とジェラール。しかしウェンディはさっきの雷がよほど怖かったのか泣きじゃくっている
「シリル。ウェンディと一緒にここで待っていてくれ」
「? ジェラールは?」
「俺は何か食べるものを探してくるよ」
「わかったよ」
俺はジェラールの言葉にうなずく。ジェラールはそれを見てカバンを置いてから少し足早に森の中に入っていく
俺はウェンディと一緒にその場で座って待つことにした。ウェンディはなおも目を擦りながら泣いている
「大丈夫?」
「うん……少しビックリしただけだから」
そういうウェンディは寒いのか小刻みに震えている。俺はジェラールのカバンに毛布が
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