暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
ファントム・バレット-girl's rondo-
第七十七話
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コンバートなどすることは出来ない、ということだ。幸いなことに俺はリズの店に、キリトはエギルの店に預けることが出来るので、大した問題ではないのだが。強いて言えば、俺はALO以外のゲームを持っていないという、根本的な問題はあるが。

「じゃあリズ、借りる」

「借りるって……今更他人行儀ね。ま、適当に放り込んどいてー」

 お言葉に甘えて倉庫に放り込むとする……とは言っても、どれも大事な装備品だ。装備していた日本刀《銀ノ月》などの装備していた武器防具を初めとして、アイテムストレージにあった物も丁重に倉庫へと放り込むことにする。日本刀《銀ノ月》や足刀《半月》、クナイや篭手に胸当てや日本刀、日本刀に日本刀と日本刀や日本刀など、あと日本刀とか日本刀、あとそれと日本刀日本刀――

「どこにそんな持ってたのよ!?」

「ん?」

 都合四十本ほどの日本刀を積んでいたところ、開店準備をしていたリズから鋭いツッコミが入った。どこに、と問われたらもちろんアイテムストレージだが――と答えるより早く、リズがズンズンと俺が作業していた倉庫まで乗り込んでくると、積み上げられていた日本刀のうちの一つを無造作に掴む。

「よくもまあ、こんな集めたわね……ってこれ、あの《霊刀カグヅチ》――」

「――の、模造品だな」

 ALOに伝わる伝説級武器のカタナを担当する武器、灼熱の大地の果てにあると言われている《霊刀カグヅチ》……の、よく似た模造品にリズが声をあげる。俺がそう訂正するよりも早く、自身の鑑定スキルでそれを見抜いたらしいリズは、ピクリと眉間に皺を寄せる。形に似合わず内部ステータスは、一回使ったら折れるくらいの貧弱さなのもあり。

「あらこれ綺麗。こっちは前作った失敗作、それに……刀身ないじゃないコレ、どう使うの」

「コレクションだ」

 名刀から銘ありにガラクタまで、カタナに分類されているだろう武器が積み上げられているのを、リズが適当に調べながら積み直していく。もちろん日本刀《銀ノ月》があるのでメインウェポンとして活用することはないが、カタナ系武器は手に入れたら基本的にストレージに収納していた。これでも一度――他のアイテムを捨てるという形で――整理したのだが、またもや随分膨れ上がってきていた。

「この日本刀マニア。それにねぇ……これ以上ウチには入んないわよ、カタナ」

「なっ……!?」

 二人でカタナコレクションを倉庫に入れ終わった後に呟かれた、リズの言葉に俺は驚愕して耳を疑った。そして大ダメージを負ったように、顔を覆いながら二、三歩後ずさっていく。背後の壁にぶつかったところでようやく正気を取り戻すと、震える声でリズに聞き返す。

「……本当、か」

「……あんた以外にもこの倉庫使うんだから、当たり前でしょ」

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