猟兵としての生き方
第4話 赤い星座
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。
「リィン、大丈夫!」
「うッ、姉さんごめん……」
「いいの気にしないで。人を殺したんだもの、そうなって当然よ」
二年前に僕は自らの中に眠る『力』で暴走して猟兵を傷つけたことがある、その時は意識がはっきりとしていなかったが後から気づいて嘔吐した、その日は一日中震えが収まらなかった。
だが今日初めて自分の意志で人を斬った。それはとても言葉では決して言い表すことのできない感情になった。黒くまとわり付くような不快感や恐怖が身に襲い掛かる、できることなら一生味わいたくないものだ。
「リィン、無茶はしないで無理になったり直に撤退して。いいわね?」
「うん、分かったよ……」
「リィン、姉御!!」
そこにレオの部隊が駆けつけてきた。
「レオ、一体どうしたの?」
「どうやら団長達が『闘神』と『赤の戦鬼』とぶつかったようだ」
「あの二人と同時に……それはまずいわね」
「俺は直に団長達の元に向かう」
「分かったわ、私達はこのまま守りを続けるわ」
「武運を祈る」
「貴方もね」
レオの部隊が団長達の元に向かった。
「姉さん、僕達はどうするの?」
「私達はこのままルバーチェ商会の守りに……!????隠れてッ!」
マリアナ姉さんが何かを察したのか僕を連れて物影に飛び込んだ。
「ぐあッ!」
「があッ!?」
すると突然マリアナ姉さん達の後ろにいた西風の旅団の団員二人の肩や足から血が噴出した。
「不味いわ、狙撃されている……これは《閃撃》のガレスね!」
《閃撃》のガレス……確か赤い星座随一の狙撃手だって昨日姉さんに聞いた、マリアナ姉さんは直に負傷した団員達を物陰に隠すように指示をだした。
「けが人の状況は!」
「足や肩を撃たれたようです。応急処置はしましたが作戦続行は難しいかと思われます」
「分かった、ガレスは私が抑えるわ、貴方達は撤退して!」
「し、しかし……!」
「今動けるのは私と貴方とリィンだけ、ここは私に任せて早くいって!」
「すみません姐さん、どうかご無事で!」
「ええ、リィンをお願いね」
僕とコリンさんは負傷した仲間を連れて撤退を始める、後ろからは銃撃の激しい音が響いてくる。
「姉さん……」
僕は心配そうに後ろを振り返る。
「大丈夫だ、姐さんは強いからな。それよりも急ぐぞ、今の状態で敵に見つかったら格好の餌食だからな」
「はい、急ぎましょう!」
僕達は本拠地である陣地目指して歩いていく、なるべく敵と遭遇しないように大回りしながら自分達の陣地に近づいていく。
「よし、あと少しだぞ」
「急ぎましょう」
「見〜つけた♪」
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