暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
本気で殴り合う
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話




「あの・・・ヤシロさん、一体どうされたのですか?」
「んー?だから言ったじゃん、お姉さんたちに見てもらいたいものがある、って」

ヤシロはそう言いながら振り返り、後ろをついてきている面々に笑みを見せる。
それだけしか伝えられずに連れてこられた三人・・・黒ウサギに飛鳥、耀の三人は顔を見合わせるが、何もわからずに再びヤシロの背中を見る。

「えっと、せめて行先くらい教えてもらえないのかしら?」
「あー、うーん・・・まあ、それくらいはいっか。今向かってるのはお兄さんの部屋だよ?」
「一輝の?」
「うん」

これでより一層、三人はなぜ連れてこられたのかわからなくなる。一輝が何か用事があるのならわざわざヤシロに頼まず、自分で伝えるはずだ。では一輝は関係のない案件なのだとすると、行先が一輝の部屋であることがおかしい。結論、何もわからない。

「まあまあ、部屋についたらちゃんと説明するから」
「は、はぁ・・・」

これ以上の質問は無駄だと感じたのか三人は何も言わずに社の後に続いて一輝の部屋に向かう。そうして一輝の部屋の前につき、扉を開けると、そこにあったのは・・・

「・・・テレビ?」
「・・・はい、テレビなのですよ」
「・・・それも、ダイヤル式の超骨董品」

そう、テレビがあった。無駄に古いデザインのそれが部屋のど真ん中にあるというのは、中々の存在感である。

「ですが、どうしてこのようなものがここに?何か見れるというわけでもありませんのに・・・」
「まあ、それがこの部屋に来た目的だからねー。ちょっと待っててー」

困惑している三人の横を通って一輝の部屋に入ったヤシロは、三人を手招きで部屋の中に誘導しつつ、テレビの電源を入れてダイヤルをいじる。そうしてガチャガチャとやっていくと・・・砂嵐が収まり、鮮明なカラーの映像が映される。それも、ちょうど十六夜が一輝に殴り飛ばされる場面で。

「・・・これは、何かを録画したのですか?」
「ううん、リアルタイムの映像だよ」
「じゃあ、何かの演出なのかしら?」
「それも違う。少なくともお兄さんは本気で殴り飛ばしたし、十六夜お兄さんも状況を理解できてない」
「・・・これ、どこなの?」

二人の発言をすぐさま否定したヤシロに対して、耀がそう問いかける。それに対してヤシロはさも当然であるかのように、

「今二人がいるのは、お兄さんのゲーム盤だよ。」
「そんな・・・それはつまり、今お二人はギフトゲームをしているということですか!?」

それも、一輝がゲーム盤を展開してまで何かした、というのはそれだけのゲームを始めていると判断するのが普通だろう。しかし、

「うーん・・・ゲーム盤を展開したのは周りへの被害を考えてであって、ゲームを始めたわけじゃないん
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ