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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第466話】
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りかんちゃん!」

「そっちも好きじゃないけど……」

「えー?」


 簪の言葉に抗議をするのほほんさん、取り敢えずそんなやり取りを終えて改めて全身に備わったスラスターを点火――整備室内に響く轟音が木霊し、外よりも煩く聞こえた。

 点火を終えた簪は、のほほんさんをちらりと見ると観念したらしくのほほんさんは。


「――わかったよー、でもかんちゃーん。 私もコントロールルームでモニターしてるからねー?」


 真っ直ぐと、それでいて何処か心配そうな眼差しで簪を見つめるのほほんさん、簪は小さく頷くと――。


「……ぅん」


 そう小さな声で応えた、そして俺の方へと振り向くと――。


「あ、あの……ヒル、ト。 ……飛行テスト……付き合って、欲しい……」


 不安げな表情を浮かべ、指を絡ませて弄ぶ簪、のほほんさんは取り敢えず笑顔に戻っていて俺と簪を交互に見ている。


「ん? 構わないぞ? てかパートナーなんだし、気を使う必要は無いさ、これがな」


 そう俺が告げると、安堵したのか軽く息を吐く簪、そして――。


「あ、ありが……とぅ」


 消え入りそうな小さな声と共に折り目正しく、お辞儀をする簪。

 そんな彼女を見て俺は頬を掻き――。


「そ、そこまで綺麗にお辞儀しなくていいって。 ――取り敢えず何処のアリーナを使うんだ?」


 そう聞き返すと、下げた頭を上げて小さな口から言葉を紡いだ。


「飛行テストだから……第六……」


 第六アリーナ――先日のキャノンボール・ファストにおける飛行訓練に使った場所だ。

 一応補足として、他のアリーナとの違いは空が完全開放されていて、学園のシンボルともいえる中央タワーをコースに『ほぼ』制限無しで飛行が可能なアリーナ。

 ――とはいえ、射撃武器が学園に直撃すれば反省文では済まされないので、ここでの射撃は余程自身のある人にしかオススメ出来ない。

 純粋な飛行によるレースをするならうってつけの場所でもあるが。


「OK、じゃあ第六アリーナで軽く飛行テスト、其処からまた直す箇所や調整の必要な箇所のピックアップだな」

「う、うん……。 ……やっと、飛べ……る……」


 僅かに表情が綻ぶ簪――と、待ちきれないのか簪は――。


「さ、先に準備して……待ってる……っ」

「え? お、おいっ――って、行っちゃった……」


 呼び止める前に整備室を後にした簪、ご丁寧にもちゃんと打鉄弐式は待機形態に戻していて、もぬけの殻になっている。

 ――気持ちはわからなくもない、これ迄完成せずにずっと機体を組んでいたのだから。


「……ひーくん? テスト始める
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