5部分:第五章
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掛けていた。
「もう向こうに行っておいてね」
「もうかよ」
「うん。合図をするから」
晃は烏に対して囁く。
「その合図は?」
「爆発さ」
「爆発!?」
「うん、そうさ」
そう言って頷く。
「いいかい、爆発が起こったら彼等に伝えてね。すぐにお寺に飛び込めって」
「それだけでいいんだな?」
「それだけで充分だから。頼むよ」
「わかった。それじゃあそうするよ」
「うん、それじゃあね」
「ああ。じゃあな」
烏は飛び立ちシェパード達のところに向かった。そして晃はクロ達と共に裏山の頂上に着いた。そこからはお寺の全てが見渡せた。
「よし、思った通りだ」
彼はお寺を見下ろして呟いた。
「ここからなら。確実にやれるぞ」
「なあ御主人」
クロが彼に声をかけてきた。
「何?」
「ここから策を使うんだよな」
「そうだよ」
「一体どんな策なんだよ。確かに見晴らしはいいけれどさ」
「石でも投げ込むつもり?」
雀が尋ねた。
「そんなことしてもあまり効果はないわよ」
「石なんか投げないよ」
彼は不敵に笑ってこう応えた。
「じゃあ何をするのよ」
「もっといいものを使うのさ」
「それがこれ?」
晃が背中に背負うリュックを指差した。
「そう、これ」
応えながらそのリュックを下ろす。
「これを使うんだよ」
「さっきから気になってたけどそれ何なんだよ」
クロも問う。
「それが策ってやつみたいだけれど」
「まあ見てなって」
応えながらリュックを開ける。
「これを使って。ドカーーーーーーンとやるんだから」
「ドカーーーーーーーンか」
「そうさ。まずはこれ」
最初に出したのはかんしゃく玉だった。
「これをね。こうするんだよ」
まとめて掴み、それを下に投げ込んだ。お寺の中でかんしゃく玉が炸裂する。
「そして次はこれ」
「それは?」
「鼠花火さ」
「僕がどうしたの!?」
「いや、これはそういう名前なんだよ」
鼠と聞いてキョトンとした顔になったハツカネズミに言った。
「これは。花火の一種なんだ」
「花火」
「そう、これが僕の作戦なんだ」
ここでニヤリと笑った。
「これで。勝ってみせるよ」
「ここから投げるだけで?」
「投げ込むだけで充分さ。ほら見て御覧」
鼠花火を投げ込む寸前でクロ達に対して下を指差しながら言う。
「かんしゃく玉を投げ込んだだけでもう大変な騒ぎになってるよね」
「確かに」
「急に火花が周りに出たからね」
「それが僕の狙いだったのさ」
誇らしげに言う。
「これが?」
「そうさ、これで向こうの動物達を驚かせて混乱させる。それが狙いだったんだ」
「じゃあその鼠花火もそうだね」
「そうさ、そしてこれだけじゃない」
鼠花火を寺の
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