5部分:第五章
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えていた。
「火か」
そう、火であった。ここで彼はあることに気付いた。
「待てよ」
はたと立ち止まり呟く。
「これで」
そして密かにある作戦を思い立った。家に帰ると早速その準備に取り掛かるのであった。
遂に作戦決行となった。その前日晃は動物達を集めてまずは家で作戦会議を開いた。
「まずはね」
寺とその周りの地図を開きながら言う。
「主力はこうして寺を遠回りに囲むんだ」
「その指揮は俺が執るんだな」
「ああ、頼むよ」
シェパードが名乗りをあげた。晃はそれに応えて頷く。
「そして問題はここなんだ」
寺の裏山を指し示した。
「ここを抑えたいんだ」
「そこに何かあるのかよ」
クロがここで問う。
「ほら、真下に住職さんのお寺があるのよね」
「ああ」
「ここから。あることをしようと考えてるんだ」
「あること?」
「そうさ、策があるんだ」
そう言ってニヤリと笑う。
「策がね。任せてよ」
「その策って何なんだよ」
「いいから。その時になってからのお楽しみ」
彼は言う。
「これで。かなりうちの勝率はあがるからね」
「それじゃあそっちには俺と御主人と僅かな数で行くか」
「俺はどっちに行けばいいんだ?」
「夕方に攻めるからね」
晃は応えた。
「まだ目の方は大丈夫だよね」
「ああ、まあな」
烏は答えた。鳥目を心配しているのだ。
「その時間だとな」
「よかった、それじゃあ君は裏山の部隊と主力の連絡を頼むよ」
「任せときな」
翼で胸をドン、と叩いて応えた。
「後は。明日の夕方だね」
「全面攻勢だな」
「本当は夜に仕掛けたかったんだけれど」
「俺達に気を使ってくれたんだな」
「うん。やっぱり君達の力も欠かせないから」
烏に対して言う。
「皆で攻めよう。そして住職さんをやっつけるんだ」
「おうよ」
戦いへの備えは整った。そして程なくしてその日になった。夕方になり晃達は家を出て住職さんの寺に向かった。
「こうして見ると無気味な寺だよな」
「そうだね」
寺が見えてきた。晃はクロの言葉に頷いた。そして寺を見据える。
古ぼけ、まるで廃墟の様であった。寺の庭には墓石やそとぼが立ち並び、何処からか烏や犬の鳴き声が聞こえて来る。それはまるで三途の川の様であった。赤い太陽が寺と墓場を照らしている。夕陽は何処か血に似た色になっていた。
「化け物でも出てきそうだね」
「っていうか化け物を倒しに行くんだぜ、俺達は」
「住職さんをだね」
「まずは鉄砲を何とかしなくちゃな」
「そう、その為にもまず」
「作戦、見せてもらうぜ」
シェパードが率いる主力は寺の周りについた。そしてそこで烏の連絡を待つ。
「いいかい」
晃達はもう裏山に入っていた。彼はそこで烏に語り
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