4部分:第四章
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はクロに言われるまま自分達の前にカナヘビが紙とペンを持って前に出て来るのを見守っていた。そしてカナヘビはそこでものを書きはじめた。
「これがな」
見れば地図を描いていた。描きながら説明をしてきた。
「住職さんのいる寺だ」
「うん」
見れば非常に詳しく書かれていた。玄関から庭、寺の中の間取図まで。二階、軒下についても描かれている。そして物置にマーキングがされた。
「銃はここにあったよ」
カナヘビはそのマーキングをした物置を指し示して言った。
「この中にね。あったよ」
「よし、そこか」
晃はそれを聞いて会心の声を出した。
「じゃあまずそこを押さえれば」
「いや、止めた方がいいね」
しかしカナヘビはこう言って彼を制止した。
「どうして?」
「あのさ、落ち着いて考えてみてね」
「うん」
「重要なものを置いておくとなると守りを固くするよね」
「まあね」
「住職さんだって同じだよ。それも相当ね」
「それじゃあ」
「そうさ、物置の周りには怖い奴等が一杯いるんだ」
カナヘビの声が剣呑なものになっていた。
「ドーベルマンやら毒蛇やら鷹やらがね。だから迂闊には近寄れないよ」
「まずいな、それは」
「そんなのが守っていたら手出しは出来ないだろ?だから迂闊なことは出来ないって」
「困ったなあ、どうすれば」
「何だよ、困ったのかよ」
「そう言われてもなあ」
クロの言葉にも本当に困った顔をして返すだけであった。
「それだと攻め込んでも守られてその間に住職さんが銃を持ち出すし」
「まあそうだろうね」
「一緒なんだよ。じゃあどうすれば」
「向こうの動物達が動かなければいいんだけれどね」
「けれどそんなの無理だぜ」
クロが言った。
「それこそ全員に眠り薬でも入れなきゃな」
「病院から失敬する?」
「いや、それはよくないよ」
晃はこう言ってカナヘビを制止した。
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