4部分:第四章
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言った。
「向こう側の動物達にさ。こっちに寝返ってるのとかいるかな?」
「スパイかい?」
「うん。向こうがこっちのことを知ってればこっちにも紛れ込んでいる可能性もあるけれどね」
「それなら俺かな」
カナヘビが声をあげた。
「君がかい?」
「ああ、向こうにツレがいてな。そいつとの付き合いであっちにもちょこちょこ言ってるんだ」
「そうか。ならその散弾銃のある場所を調べておいて」
「それをどうするんだよ」
「それをまず押さえるんだ。そうすれば住職さんは銃を使えなくなる」
「ああ」
「後はこっちの方が数はずっと多いんだろ?作戦を立てれば勝てるよ」
「作戦!?」
「そうさ、まずはね」
晃は動物達に対して話をはじめた。そしてカナヘビからの話を聞いた後でまた動くことになったのであった。
後はそのカナヘビからの報告がやって来るのを待つだけである。クロは晃の部屋でそのことについて話をしていた。
「あれで本当にいいんだよな」
「多分ね」
晃はそれに答えた。
「銃を押さえたら。半分は成功したも一緒なんだ」
「カナヘビの情報待ちか」
「彼が無事なのが第一条件だけれど」
「ああ、それなら心配ねえよ」
クロはそれに関しては太鼓判を押した。
「あいつあれでもかなり素早いんだ、カナヘビの中でもな」
「そうなんだ」
「きっと上手くやってくれるぜ。まあ見てなって」
「うん」
そう話した時だった。ここでそのカナヘビが部屋にやって来た。
「ああ、ここにいたんだ」
「おっ」
「噂をすれば」
その当のカナヘビが出て来た。そして晃とクロの前に出て来た。
「探したよ、ちょっとね」
「それで首尾はどうだったんだい?」
クロが尋ねた。
「まあ帰って来たってことは上手くいったんだろうけど」
「ああ」
カナヘビはそれに応えて晃の学習机の側にまでやって来た。
「ちょっと紙とペン借りていいかな」
「ああいいよ」
晃はそれに頷いた。
「けど何に使うの?」
「何って」
カナヘビはそれを聞いて苦笑いを浮かべた。
「紙とペンっていったら決まってるじゃないか」
「書けるの?」
「勿論」
彼は晃の問いに得意気に頷いた。
「人間の言葉も話せるしね」
「それとこれとは別なんじゃないかな」
「おいおい、何言ってるんだよ」
クロはそれを聞いて苦笑いを浮かべた。
「俺達は脳味噌を食べたんだぜ」
「それは知ってるって」
「脳味噌を食べたらな、その能力が備わるんだ」
「ということは」
「そうさ、ものを書くことも出来るようになるんだよ」
クロは遂にそれを言った。
「俺だって書くことは出来るぜ、特にこいつはそれが上手いんだ」
「そうなの」
「まあ見てなって。見ればわかるからよ」
「うん」
晃
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