第十八話 山田大尉!今度はテニスだ!その二
[8]前話 [2]次話
「まさに何もかもが」
「卑怯卑劣の極みでごわすな」
「下衆の極みでもあります」
これもまた二人の全世界からの評価だ。
「スポーツマンシップなぞ微塵もない」
「下劣でごわすな」
「それも相当に」
こちらも極めているというのだ。
「まさに最低最悪のです」
「卑劣漢共でごわすな」
「あの者達は許せません」
到底、というのだった。
「何があろうとも」
「おいどんもそう思うでごわす」
「はい、では」
「今回は我等が行きます」
「そしてです」
「今度こそ」
「実力では負けていないでごわす」
このことは常である。
「しかしでごわす」
「あの者達の卑怯卑劣」
「それこそが一番の敵です」
「それにどう対するか」
「それが問題ですね」
「それはもう答えが出ているでごわす」
西郷はその逞しい身体でダイナミックに泳ぎながら言う、もう壮年と言っていい年齢であるが実に頑健な肉体だ。
「卑怯卑劣に勝つものは」
「正義」
「それですね」
「そうでごわす」
まさにそれだというのだ。
「だからでごわす」
「はい、今回こそは」
「正々堂々と戦い」
「完全な正義で以て」
「あの二人を倒しましょう」
源田とハルトマンも応える、そして。
三人は泳ぎそしてだった、今度は。
舞鶴の居酒屋で風呂の後飲んでいた。食べているのは焼き鳥だ、西郷はその焼き鳥について二人に言った。
「美味でごわす」
「そうですね、この焼き鳥は」
「素晴らしいです」
「運動の後の焼き鳥」
「そしてビールは最高です」
「その通りでごわす、美味なるものとは」
それはというと。
「身体を動かしてこそでごわす」
「そうなる」
「そうですね」
「鍛錬は美味なるものを作るでごわす」
こうも言う西郷だった。
「この焼き鳥はそれだけで美味でごわすが」
「鍛錬をし己を磨いたからこそ」
「余計にですね」
「そしてでごわす」
「はい、こうして美味なるものを食せる」
「このこと自体が」
「八百万の神と多くの仏達にでごわす」
つまり神仏にというのだ。
「感謝しなければならないでごわす」
「そして料理に関わる人達全てに」
「深い感謝をですね」
「忘れない」
「それが大事ですね」
「そうでごわす」
そうしたこともわかっている、それが西郷だ。
それでだ、焼酎についても言うのだった。
「その焼酎も飲める」
「このことも」
「忘れてはなりませんね」
その感謝の気持ちをというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ