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転生とらぶる
マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0954話
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ち主が殆どだ。
 あるいは帝国の現状を正確に把握していたとしても、それを表に出せる程に素直な者もいない。
 その代表格が、今回の主役でもあるキケロだろう。

「あの、馬鹿者めが」

 苛立たしげに呟くキケロの声が聞こえてくる。
 面目を潰されたも同然なんだから、分からないでもない。
 だが……そうだな、ある意味これは丁度いいともいえる、か?
 何しろ、ここにいるのは全てが貴族達だ。それもただの貴族ではなく、俺達の力を実感として知らない貴族。
 つまり、こちらの力をその目で確認させ、どちらの立場が上なのかをはっきりとさせるという教育をする為の場としてだ。
 そうすれば、レオンがこれから交渉をする上でも間違いなく役立つだろう。
 そう思ってレオンの方へと視線を向けると、向こうにしても同意見だったのか無言で頷く。
 よし、なら話は決まりだな。

「ピニャ、提案だがこのままだとそっちもこっちも収まらないだろう? なら、いっその事、あの2人で決闘でもさせてみてはどうだ?」
「なっ!? そ、そんな……」

 言い淀むのは、俺が素手でどれ程の実力を持つのかを、イタリカでの戦いで知っているからこそだろう。つまり、俺と同じシャドウミラーのメンバーでもあるアウルの強さも自分の常識を超えたものである、と。

「安心しろ、アウルはシャドウミラーの実働班の中でも実力的にはかなり下の方だ」
「……それは……」

 再び言い淀むピニャ。
 嘘は言っていない。少なくても実働班でアウルより明確に生身での戦闘能力が低いと言える人物は誰もいない。スティングにしろ、アウルと同程度だしな。
 ただし、他の……つまり、アウルより上の人物がどれだけの実力を持っているのかを口にはしていないだけだが。

「それとも、帝国の貴族というのは10代の子供相手に尻尾を巻いて逃げるのか?」

 その言葉が決定的だった。
 ピニャではなく……その周辺で俺の話を聞いていた他の貴族達がいきり立ち、キケロにしてもそこまで侮辱されては引く事も出来ず……結局中庭で貴族とアウルの決闘が行われる事になるのだった。
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