マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0954話
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ような事があるとでも? 実際、そちらが用意万端で攻め込んできた結果が現在の帝国軍の惨状なのでは?」
「確かに一度は大きな被害を受けたというのは認めよう。だが、それはそちらの戦力を知らなかったからだ。それを知ったのだから、同じ過ちは二度と繰り返さんよ」
「一度や二度戦った程度で私達の戦力を知った気になられても困りますね。いえ、帝国側がそのように認識してくれるというのは、寧ろ私達にとっては幸運なのかもしれませんが」
レオンとキケロが、お互いに会話を交わしながら相手を自分の言葉の鋭い棘で刺さんとする。
言葉の裏に何重もの意味を含めているのだろうやり取りだったが、それに待ったを掛けたのは、この場の責任者でもあるピニャだった。
「2人ともそのくらいで。今回行われるのはあくまでも停戦交渉だ。お互い我を通すだけでは何の意味もない」
「……ピニャ殿下がそう言われるのであれば、大人しく引き下がりましょう」
「そうですね、そうさせて……」
そこまで告げた、その時。突然怒声が周囲に響き渡る。
「何だと貴様ぁっ! 私を誰だと思っている!」
「へっ、知るかよ。どうせ落ち目の帝国の中でもろくに存在感を発揮出来ないような三流貴族だろ。自分の力だけじゃなくて、家柄しか取り柄のない」
「ぬぐっ。貴様、許さん……許さんぞ! この私に対してそのような無礼!」
周囲で午餐を楽しんでいた人々もまた、声の聞こえて来た方へと視線を向けている。
そこにいたのは、20代程の若い貴族に……アウル。
その2人がお互いに睨み合い、いつ殴り合いになってもおかしくない雰囲気だ。
貴族の方はいつでも腰の鞘から剣を抜けるように手を伸ばしており、アウルも相手が攻撃しようとした場合にはすぐさま反撃出来るように準備を整えている。
まさに一触即発。
「大体帝国を相手にして貴様等のような田舎者が我が物顔で振る舞うとは何事か!」
「はっ、よく言うぜ。文明的に時代遅れも甚だしい蛮族国家が。帝国だって? もしも俺がお前達なら、力の差も弁えずにそんな風に名乗るなんて事はまず出来ないけどな」
アウル……言いたい事は分かるが、幾ら何でも正直に言いすぎだ。
ついさっきまでやり取りをしていたレオンやキケロ、ピニャですらも唖然としているぞ。
傍で見ている俺達からしてそうだったのだから、当の本人でもある貴族が我慢出来る訳がなく……
「決闘だ!」
顔を真っ赤にしながら、アウルへと指先を突きつけて叫ぶ。
あー……やっぱり。貴族として育ってきて、帝国に対する忠誠心とかプライドとかがあるんだから、その帝国を公の場で蛮族国家とか罵られて、我慢出来る筈がないよな。
更にこの場は帝国が用意した場所であり、アウルに決闘を挑んだ貴族と同様のメンタリティの持
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