32話 ≪火のガーディアン≫
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
フライヤが声を掛け、3人は火の祠の探索に入る。
────内部はそれほど複雑ではなく、モンスターもほぼいない代わりにそれなりの仕掛けが施されていたが、3人にとっては大した障害にはならず吹き抜けの開けた場所まで行き着くと、何かを納める為の台座のようなものが奥の方に鎮座しており周囲は静まり返っていた。
「案外、楽な行程であったが………ここが異世界への封印を解く場所の1つとなるようじゃの」
「……こんな事なら、独りで来ても充分だったな」
「それもここまで行き着かねば判らぬ事じゃ。後は、この台座に"鍵となる鏡"を置けば………」
物足りなさげなサラマンダーを横目に、フライヤが赤い縁取りの[猛火の鏡]を手に台座へと歩み寄る。
「 ────下がれ!」
咄嗟に赤魔道士のマゥスンが放った一声でフライヤは身を引き、直後台座の前に忽然と姿を現したのは床下まで蛇のようにとぐろを巻いた長く紅い頭部に身体は妖艶な女、蛇眼の瞳を持つ人ならざる存在が3人をねめつけた。
『ネズミ共が迷い込んだか……? 退屈しのぎには丁度良いな』
「何者じゃ、おぬし……!」
槍を構えるフライヤ。
『ほう……? この気配、やはりキサマだったか』
「 ………… 」
ふとその蛇眼は、マゥスンに据えられた。
『あらゆる世界の混沌の記憶は共有している………。かつて我が、火のカオスであったように。今ここでは、火のガーディアンなどというものに成り下がっているが』
「お前……、まさか知り合いか?」
サラマンダーに問われるが、マゥスンは答えない。
『しがらみから開放してやったというのに、懲りない奴め。────カオスの根源へ還れ、彼の者もそれを望んでいよう。何故、抗う? あの世界のキサマ達の役目など、矛盾でしかないだろうに』
「 ───── 」
「……何の因縁か知ったこっちゃねぇが、相手は1人だと思わねぇこったな」
「その通りじゃ……、悪いが異世界への封印は解かせてもらおう」
マゥスンの前に出て、戦闘態勢をとるサラマンダーとフライヤ。
『ほぅ、既にナカマを得たというのか。キサマには不必要な"もの"だった筈だが。ネズミ共が何匹集った所で同じ事……少しは楽しませてもらおうか』
火のガーディアンが炎を伴った二刀の剣を手に襲いかかって来たのを竜騎士のフライヤが槍で受け止め、その隙にサラマンダーが拳に嵌めた鉤爪で鋭いダメージを与え、一度身を引いた火のガーディアンは蛇のように裂けた口から火炎を吐き出し、マゥスンはそれに対して冷気属性の黒魔法を放ち炎と冷気がせめぎ合い白い蒸気となって辺りを包み、一時標的を見失った火のガーディアンの背後をすかさずとったマゥスンは剣で斬撃を浴びせた。
『
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ