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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン24 鉄砲水と太陽神(後)
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「はい?……ええ、もちろんです」

 何を言われるかと思っていたら、まったくの想定外の質問。思わず聞き返したが、ペガサス会長の真剣な顔を見てすぐに答え直す。もちろん好きだ、そんなことは決まっている。
 するとその答えが気に入ったのか、彼はふっと笑みを浮かべた。

「そうですか。ならば清明ボーイ、あなたが使っていたあの2枚のカードについて、私は何も聞きまセーン。代わりにこれを差し上げまショウ」

 そう言って何やら高級そうな紙を取り出し、そこにすらすらと何か文字を書いてからハンコを押し、それを僕に差し出した。読むと、I2(インダストリアル・イリュージョン)社公認・新規カードテスター証明書、と書いてあった。

「これは……」
「もしあなたの持っているカードについてとやかく言われるようなことがあれば、その紙を見せておやりなさい。恐らくそれで相手も黙るはずデース」
「あ、ありがとうございます」

 僕ができる限りきれいに折りたたんでその紙を仕舞い込むのを待ってから、ペガサス会長がまた口を開いた。

「さて、本題はこのことではありまセーン。あなたが最後のターンに話していた相手、あれはもしやカードの精霊、と呼ばれるものではないですか?」
「え、ええ……」
「それならばあなたのその才能を見込んで、1つ頼みがあります。この2枚のカードを預かっていて欲しいのデース」

 その言葉とともに、2枚のカードを差し出してくる。受け取って確かめてみるが、なんとそのカードはどちらも白紙………テキストもイラストも何もない、裏面しかないただのカード。ペガサス会長を見返すと、重々しく頷かれた。

「イエース、ユーの言いたいことはわかります。確かにこれは白紙のカード……ですが、このカードを持っていて欲しいのでーす。それは新しいカードを作っている最中に偶然できたエラーカードということになっていますが、見た瞬間に私はピンと来ました。このカードはエラーカードなんかではなく、真に自分を使いこなせる主以外の手に渡りたくないだけだと」

 そう言われて、改めてその白紙のカードを見る。ほんの一瞬、ほんの一瞬だけ、その真っ白な面に何かイラストが見えたような気がした。

「あっ!」
「ええ、私にも見えまシタ。精霊の見えるあなたのようなデュエリストなら、もしかしたらこのカードの心を開くことができるのかもしれない。だから私は、このカードを託したいのデース。どうです、受け取ってもらえないでしょうか?」

 白紙のカードの心を開け、か。なるほど、面白い話だ。こんな突拍子もない話もすんなり信じられるあたり、つくづく不思議なことにも慣れたもんだ。

「喜んで。むしろ、こっちからお願いしたいぐらいですよ」
「ワオ!ではお礼に、私の大好きなコミック『ファニーラ
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