ターン24 鉄砲水と太陽神(後)
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がナスカで生き続けてきた五千年、世界の動きを常に観察しつづけてきたその日々の深さに比べれば、力一辺倒のその生き方はあまりにも脆い』
『「何……?」』
『私の前にはそんな力、何の意味もないと言っているのさ。いつの日にか、もっと駆け引きを身に着けたらまた遊んでやろう。……行くぞ、マスター!』
「当り前さ!チャクチャルさんは自身の効果により、相手プレイヤーにダイレクトアタックできる!いくらアバターが強くなっても、プレイヤーへの攻撃には意味がない!流れ去れ、ミッドナイト・フラッド!」
『「そんな、私が……」』
地縛神 Chacu Challhua 攻2900→アバター(直接攻撃)
アバター LP100→0
「ふー……でも実際問題、お前は強かったよ、アバター」
結果的には僕の勝ちだけど、もう一度戦ったらどうなっていたかはわからない。このデュエルは実質、アバターが途中でフランツから引き継いだものだからだ。もし最初からアバターの方が出てきていたら、まったく別の結末になっていたかもしれない。
まあそんなこと、おくびにも出さないけどね。それもまた駆け引きの1つ、ハッタリをかますってやつさ。
満ち足りた気分で倒れたままのフランツが落としたジェネックスのメダルを拾い、素早く懐にしまいこむ。これもまた勝者の特権。……と、そこでこちらをじっと見つめるペガサス会長の視線に気づいた。いや、その眼は正確には僕を見ていない。僕の持つデュエルディスク、それを見つめていた。
「………?」
「十代ボーイ、すみませんがフランツのことをお願いしマース。それと清明ボーイ、でしたか?ユーには少々聞きたいことがあるので、こちらに来てくだサーイ」
そう言って森の中に足を進めるペガサス会長。そのシリアスな雰囲気に、訳が分からないながらもついていく。
「(チャクチャルさんチャクチャルさん、なんなんだろいったい)」
『(そうだな。考えられる線としては、私とメタイオンのことだろうな。なにせあちらからすればいきなり見たこともないカードを使いだしたんだ、思うところも色々あるだろう)』
あ。自分の犯したとんでもないミスを前に、さーっと顔から血の気が引いていくのが分かった。そうだ、確かにあの2枚はどこを探しても世界に1枚しかないカード。そんなものを見せられてカードの開発会社がどう思うかなんて、考えるまでもないだろう。下手すると退学どころか、不正カード使用の罪で一生デュエルの表舞台からの追放もありうる。今すぐ逃げ出そうかなんてことを割と本気で検討し始めたあたりで、ペガサス会長が足を止めた。そのままこちらに振り向き、周囲に誰もいないことを確認する。
「あの、ペガサス会長」
「清明ボーイ、あなたはデュエルモンスターズが好きですか?
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