ターン24 鉄砲水と太陽神(後)
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「こ、これは!?」
『「ふざけるナ、まだ勝負はついていなイ」』
フランツの声が二重に聞こえる。まるで、まったく別の何かが彼の口を動かして喋っているかのように。
「……あなた、一体誰なのですか?私の研究員を操り、ラーのカードを盗み出すとは」
『「これハこれハ、ペガサス・J・クロフォード氏。久しぶリ、あえてこう言わせテ貰おうカ」』
「………What?」
『「こうしてお会いすルのは初だったカ、コれは失礼しタ。私の名ハ、アバター。邪神アバター、とイう方ガわカりやすいかネ?」』
「ア、アバター!?」
どうやら会長、いや、ペガサス会長。そうだ、どこかで見た顔だと思ったら、テレビや雑誌でしょっちゅう見る顔だ。デュエルモンスターズの生みの親、ペガサス・J・クロフォード氏。なるほど、そんな偉い人ならラーの翼神竜のコピーカードなんてすさまじいものを持っていても不思議はない。何しろ、オリジナルのラーだってもとはといえばあの人が作ったカードなんだから。と、気になっていたことが一つはっきりしてスッキリしたところでペガサス会長とアバター?の話に耳を傾ける。どうやらこのデュエル、さっきラーを倒したからはい終了、なんて気楽にはいかなさそうだ。
『「ソうとモ。ペガサス氏、貴方がオリジナルの、太陽神をはじメとした三幻神を封ジるためニ構想だけしたもノの、結局デザインのミで終わったモンスター、三邪神。コこまで来るのは苦労しタよ、こノ男の邪念に干渉シて先ほど御覧に入レた球体形のカードを作らセ、さらにソのカードを通じて膨れ上がラせた邪念によッてこの私、アバターをカードとシて作るように仕向けサせた。もっとも、この男は自力で『邪神アバター』の構想を思イついた気になっテいるがね」』
「バカな……アバターが、私がほんの気の迷いでデザインしたあの凶つ神が、カードになったデスって?」
『「そウとも。一度デザインした時点で、何をシようとも『邪神アバター』という概念はもう消すことができない。だが、概念だけではさすがの私もできるコとには限りがある。真の力を発揮するために、私自身を形あるカードにする……そのための隠れ蓑として、偽の太陽神を利用させてもラったというわけさ。さて、スまないがそろそろどいてもらおうか。今はそこの少年とデュエルをしている最中なモのでね。箸にも棒にもカからぬ代物とはいえ、ラーを倒すとはなかなか見どころがあル。それにその闇の力、ただの人間でもないヨようだしな」』
フランツ……いや、アバターがこちらに向き直る。姿かたちこそフランツのままだったが、はっきりわかる。これはさっきまで相手していたのとは全くの別人、アバターだ。
「そ、その前にさ。一つだけ教えてもらおうか、アバター」
『「ほう、何かな?
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