ターン23 鉄砲水と太陽神(前)
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、どこか懐かしさも感じる。と、そこで気が付いた。ああ、そうか。この押しつぶされそうになる感覚に対する懐かしさの理由は、僕はもう2度も同じものを経験済みだからか。
「神……」
知らず知らずのうちに声が出る。この感覚は間違いない。初めてチャクチャルさんと、メタイオン先生と会ったときにも感じた独特のものだ。
「正解だ。出でよ、私の神!!」
「ワッツ!?フランツ、一体何を始める気なのデスか!?今のラーは特殊召喚できず、3体のリリースを使用してのアドバンス召喚でしかフィールドに出すことはできないはずなのに……!」
「ええ、確かにその通りですよ、会長。だが、それはあくまでもラー本体の話。私の作り上げたこの球体形のカードは、そんな常識を破る力を持つ。お前のフィールドに存在するハンマー・シャーク!氷弾使いレイス!シャーク・サッカーの3体をリリースし、アドバンス召喚!くれてやろう、神の姿を!」
僕の場にいるモンスターたちが、一瞬で消えていく。ぽっかりと空いた僕のフィールドに、不気味な影がふっと降りてきた。上を見ると、そこにはバカバカしいほど巨大な、細かな意匠の施された黄金の球体がぽっかりと浮かんでいる。
ラーの翼神竜−球体形 攻?
「こ、これが、ラーの翼神竜?」
「その通りだ。もっとも今の神は球体、神の所有者が呼び出すまで眠り続ける状態だがな。私が言うのもなんだがこのカードは少し特殊でな、相手フィールドのモンスター3体をリリースして相手フィールド上に通常召喚することができるのだよ」
そう言われてみれば、神らしい球体は空にふわふわ浮かんでいるだけとはいえ、どちらかといえば僕に近い方にいるような気がする。
「こんなのいらないから僕のモンスターたち返してほしいもんだね」
「まあそう言うな。この神もなかなか便利な能力を持たせておいたんだぞ?戦闘対象にも効果対象にもできないから、まず1ターンでは倒されない。現に私の手札では、ラーを倒すことはできないよ。だからこれで、ターンエンドさせてもらおう」
清明 LP4000 手札:0
モンスター:ラーの翼神竜−球体形(攻)
魔法・罠:なし
フランツ LP2900 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:なし
こっちの場を荒らすだけ荒らしておいたくせに、なぜか偉そうなことを言ってターンを回してくるフランツ。正直言って、このラーはかなり怪しい。いつまでも何の動きもせずにふわふわ浮いているだけなんて、不気味なことこの上ない。できればここで上級モンスターを引き、さっさとこんな不気味な太陽はリリースしてしまいたいのだが。
「僕のターン、ドロー……カードを1枚セットして、ターンエンド」
上級モンスターどころか、下級モンスターすら引けなかっ
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