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『珍』守府へ、ようこそ
〜プロローグ〜 提督はここにあり

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「提督ぅ〜、一緒に遊ぶネ♪」

「遊ばない」

「そんなこと言ってぇ〜、本当は遊びたいネ」

「遊びたくない」

「いっつも私の身体見てるネ」

「見てない」

無駄に広い部屋に、一人、二人、三人、人物が居る。一人は男、白服で海軍提督の帽子を被っている男だ。そして一人は女、なんと説明したら良いのかわからない、巫女服のような... 紅白で彩られた服にスカート、頭には独特な髪飾りを着けた女だ。更に一人は少女、何処かの小学校、中学校だろうか? そんなことを言われてもおかしくない制服を着て、(いかり)柄の髪留めで後ろ髪を纏めている少女だ

男は椅子に座り、肘を机につき、腕に顔をのせて突っ伏している。

女はその椅子に座る男の隣に着き、ベタベタと男に擦り寄っている。

少女はその男と女の手前、部屋のドアに近い位置にある小さなデスクに座っている。

「司令官さん、資材がちょっと少なくなってきたかもです」

「あ〜、大丈夫だろ。そろそろ遠征に行った娘達が帰ってくるし、いざとなったら一航戦の二人にはちょっと控えめにしてもらうからぁ」

「了解なのです。ところで、お仕事の方は済んだのですか?」

「あぁ... このなんとも言えない気分にさせられる言葉。子供の頃の一夏の思い出...」

「つまり終わってない...と。あんまりサボってると怒られちゃうのですよ?」

「う〜ん。やるよ〜 やるから大丈夫よ〜。心配しないで良いよ〜」

男は突っ伏した身体を起こし、椅子から立ち上がった。腕を伸ばし、背中と腰から音をならすと

「金剛、お前は外で紅茶でも飲んでこい。電、お勤めご苦労様、休んできて良いよ」

「はいなのです」
「わかったデース...」

女と少女は返事をし、部屋を出て行った

男は一人、また椅子に座り、思う

俺が"こうなって"どれくらい経ったのだろうか? 大分落ち着いてきたとは思うが、やはりこの仕事は慣れない。そもそもなんで俺はここに居るんだろうか? 何をする為にここに来たのだろうか? 何故ここに来たのが俺だったのだろうか? 今だわからないままだ... だが、今のままを楽しむのも良いだろう

「さてと...」

男は帽子を取り、机に置く。そして左側に置いてある書類を手前に持ってくると

「...寝るか」

「だからお仕事してくださいっ!!」

先ほど出て行った少女に怒られる男がそこに居た
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