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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第144話 暗殺
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た。戦場での場数を経験しているだけあり、行動は迅速だった。しかし、寸での処で間に合わなかった。

「貰った!」

 正宗は拳を燕璃の左腹目掛けて一撃を入れた。燕璃は顔を顰め手に持った巨槍を手放すと、険しい表情で正宗に一撃をお見舞いした。
 正宗は燕璃の一撃が直撃して左方向に吹き飛ばされる。燕璃は息を荒げ地面に落ちた自分の巨槍を拾うと正宗を確認した。
 正宗はよろめきながら立ち上がると何事もなかったように槍を構えた。

「正宗様、化け物ですか!?」

 燕璃は息を荒げながら正宗に毒吐くと巨槍を構えた。正宗による左腹の一撃が効いているのか構えに隙が出ていた。

「生まれつき体が少々頑丈でな」

 正宗は燕璃に笑みを浮かべて双天戟を構えた。彼の構えには一切の乱れがなかった。

「正宗様、変則的闘いをなさるのですね。一角の武人であれば武器のみの技巧で戦うものですよ」
「戦場に置いて武器の技巧にのみ拘るのは馬鹿げている。武器は所詮道具でしかない。武器と体術の両方を自在に扱い戦闘した方が効率的ではないか?」
「正宗様は戦場に身を長く置きすぎていらっしゃる。案外、孫文台と馬が合うと思います」

 燕璃は皮肉げな笑みを浮かべ言った。正宗は自らの戦闘スタイルが孫堅と同じと評され嬉しくない表情を浮かべていた。

「孫文台と私が一緒だと」
「一緒と申しておりません。ただ、戦への考え方が合い通づるものがあると思っただけのこと」

 正宗は大勢を深く構え双天戟を構えた。彼の周囲の空気が一気に凍りつくいく。言葉のあやだが言い得て妙と言えた。

「孫文台と同じと言われるのは癪だが。今更考えを変えるつもりもない」
「それで良いと思います。武人であれば己の道に拘りを持つものです」

 燕璃は苦しい表情だったが薄い笑みを浮かべ正宗のことを見た。

「安心しろ。死なない限りどんな深手を負っても治してやる」
「神仙の如き言葉ですな」

 燕璃は左腹が痛むのか額に脂汗を浮かべながら半信半疑の表情で正宗を見ていた。正宗は燕璃の返事には何も答えず真剣な表情で槍を構えたままだった。

「正宗様、次の一手で終わらせていただきます」
「望むところだ」

 燕璃は巨槍を構え瞑目した。正宗は燕璃が動き出すのを待っていた。呼吸を整えた燕璃は足を地面につけた状態でジリジリと正宗との間合いを詰め出した。正宗は燕璃の行動を静観してただ動きを追っていた。
 燕璃は正宗との間合いがあと少しというところで静止した。

「借りは返させていただきます!」

 燕璃は脂汗をかきながら皮肉げな笑みを浮かべ巨槍を握る手に力を入れた。巨槍に闘気が込められていくのを正宗は感じ取っていた。正宗は険しい表情を浮かべ警戒するように燕璃と巨槍を交互に凝視してい
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