第144話 暗殺
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は店を休むからゆっくり休みな」
「お休みですか?」
孫権と甘寧が尋ねてきた。
「ああ。一週間後には店を閉めるから世話になった人達に挨拶をしておこうと思ってね」
「わかりました」
孫権は素直に返事した。甘寧も孫権に倣って返事した。甘寧は相変わらず口数が少ない。愛紗には若干心を開いているようだが、彼女が正宗の家臣であることから態度が少し余所余所しい。甘寧は正宗に何か聞きたいことがあるのか、ここ二週間時たま正宗を遠目から伺っていることがよくあった。正宗も甘寧の視線に気づいていたが無視していた。甘寧が正宗に近づくことができなかった理由は四六時中泉が側に控え目を光らせていたこともあるだろう。
「孫仲謀」
正宗に声をかけられた孫権は以外そうに正宗を見た。普段、正宗から孫権に声をかけることはなかったからだ。
「明日の午後は暇か?」
「特に用事はありませんけど」
「なら昼餉でも取りながら話でもどうだ?」
燕璃と愛紗は鳩が豆鉄砲を食ったような表情で正宗のことを見た。普段、正宗は孫権に対して素っ気ない。その態度からずれた行動を取る正宗に違和感を覚えるのが普通だ。泉は正宗が孫権を客将に招く話をするつもりであることを事前に聞いていたので慌てる様子はなかった。
甘寧は泉の平静な態度に剣呑な表情を浮かべた。正宗が孫権を食事に誘うことに一番最初に反発しそうな人物が落ち着き払っているからだ。甘寧は泉から視線を正宗に移した。
「先輩、私もご一緒してもよろしいでしょうか?」
甘寧は正宗と孫権の会話に割り込むように言った。
「甘興覇」
正宗は甘寧の申し出に微妙な表情を浮かべたが少し思案した後に口を開く。
「構わないが、孫仲謀からはまだ『行く』と返事をもらっていないぞ」
「えっ!? 申し訳ありませんでした」
甘寧が慌てて謝罪すると孫権を『クスッ』と小さく吹き出し笑った。孫権は甘寧の心中を察していないようだった。
「先輩、喜んでお誘いをお受けいたします」
孫権は悪意を微塵感じさせない笑顔で返事した。
「そうか。泉、お前も同席せよ。店の差配は泉に任せる。頼めるか?」
「畏まりました」
泉は正宗に拱手して応えた。
「正宗様、私も同席させていただけないでしょうか?」
様子を傍観していた愛紗が正宗に声をかけてきた。愛紗もまた正宗から孫権を誘うことと泉の様子に違和感を感じじている様子だった。日頃、孫権と甘寧を後輩としてフォローしていることもあり姉御気質の愛紗は二人のことが心配になったのだろう。
「構わないぞ」
正宗は一瞬悩み表情を浮かべるも一拍間を置いて口を開いた。愛紗が正宗に差し出がましい意見をするのでないかと懸念しているのだろう。それは十分にあ
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