打楽器奏者、抱きしめられる
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それでどうにか・・・
「・・・ダメッ!」
と、そこで一匹があの子たちのほうに向かおうとしたので、反射的にその前に向かってしまいます。そうなれば当然、蔦がロロのほうに・・・
「あ・・・」
衝撃を覚悟して目をつむりましたけど・・・衝撃は、来ませんでした。その代わりに、いくつか音が聞こえます。
まず聞こえてきたのは、金属が砕ける音。自分が乗っているのとは別の、日本目を盾にしたのですが・・・やはり、駄目だったみたい、です。
そして、次に聞こえてきたのは・・・四つの、音。
まず一つ目に、誰かが走ってくる音。誰かがこっちに向かってくるようでした。
二つ目に、何かが飛んでくる、ヒュンというような音。それも、いくつも飛んでくるように、連続して。
三つ目に、一つ目と同じ音が、連続して。同じような金属が、砕かれていく音。
最後に聞こえてきたのは・・・ううん、違います。最後に気付くことができたのは、演奏する音。ロロのタンバリンと同じ曲を、歌っている。
「これ、って・・・」
「口閉じて!」
反射的に口を閉じると、そのまま誰かに抱えられて転がります。誰か、というか、この匂い・・・
「あっ、ツー・・・こういうのって、あんまりうまくいかないんだね・・・」
「お兄、ちゃん・・・?」
「あ、うん・・・ごめんね、ギリギリになっちゃった上に、かっこ付かなくて」
イタタ・・・と背中を気にしながら立ち上がっているのは、やっぱりお兄ちゃんで・・・なんでここに、は考えるまでもないことで・・・
「ロ、ロロの方こそ、ごめん、なさい・・・」
「・・・え?」
「ロロが来たせいで、危険なところに・・・」
「ああ・・・いいよ、そんなことは気にしなくて。僕は元々ここに来たかったんだし、何より来てみたら向う側にも音楽シリーズのギフト保持者はいるみたいだし、結果としては来て正解だったと思うから」
・・・お兄ちゃん、本気で言ってる上に、事実そうであるのを混ぜてくるのは卑怯だと思います・・・何も言い返せなく・・・
はぁ・・・多分、多鋭剣を駄目にしちゃったことも、言っても無駄なんですよね・・・天然でこんなことをしてるなら、元の世界にも恋人とかがいたのかもしれない思うと・・・ちょっと、もやもやします。
「あっ、そういえば冬獣夏草は、」
「あ、そのことは気にしないで続けてくれていいっスよ?もう全部終わってるっスから」
「・・・・・・え?」
見てみると、確かに言われたとおり・・・全部、バラバラになって、ます。え?レヴィお姉ちゃん、強すぎませんか・・・?
「まあ見ての通りっスし、子供たちも自分一人いれば簡単に守れるっス。そういうわけなんで、どうぞ存分に抱きしめられててくださいっス」
「
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