world war2−『戦というモノ』−
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。
広がった闇は消し飛び、喰らった自然を吐き出した。
「……ッ??」
「−−ハァッ??」
それは、0.001秒の間だった。
『 』の驚愕から来る、たった0.001秒の硬直。
たったそれだけの硬直、それだけの隙。力のある者でも、突きようのない短い隙。
だが、それでも−−
天冠の前では、致命的だった。
刀は、地を斬り、空を斬り、雨を斬り、雷を斬り−−
その刀は、『 』を貫いた。
◇◇◇◇◇
「天冠さんッ??」
天冠の身体が崩れ落ちる。消え去った『 』を貫いていた刀が、天冠の手から転がり落ちた。
「……ッ、申し訳ありません、負傷致しました。数刻で治療出来ますので、お構い無く」
「いえ、無理矢理にでもさせて貰います。じゃなきゃ《白亜宮》メンバーの名が泣きます」
戦いを始めたのが天冠とはいえ、何も出来なかった自分を責める様に、半ば意地で治療を始める。天冠の身体には、戦闘中には気付かなかった大量の傷が存在していた。
まるで爛れた−−いや、溶けた様な、そんな傷が。
「闇−−ですね」
やはり、『 』を倒すのに無傷とは行かないらしい。幾ら倒せたとはいえ、この怪我の量は重傷だった。
『 』が貫かれたその時、『 』が闇を天冠にぶつけたのだ。
__タダでは死なないという訳か。
「勝ててないですよ」
思考に割って入るかの様に、天冠のそんな言葉が聞こえた。
「……え?」
「勝てて居ません。撃退しただけで、あの存在は無傷です。もっと力を付けねばなりません」
再びましろに驚愕が襲い掛かる。
__そんな馬鹿な
此処までの傷を負って、あそこまでいい勝負をしたのに、無傷だと言うのか。
そこまで、敵は圧倒的だと言うのか。
ましろの中には、少しだけ余裕があった。
此処までの実力者が揃えば、絶対に目的を果たせるだろう。そんな余裕が。
−−誰がそんな事を言った?
これは余裕では無い、油断だ。
こんな事では、到底勝てない。
敵は余りにも巨大だ。それを、今更ながらましろは思い知った。
−−力を。
−−力を得なければ。
天冠の言う様に、抗えるだけの力を。
「……天冠さん、少し全力で走ります。捕まって下さい」
背に天冠を抱え、ルークから授かった力を使う。
踏み込むと同時に一気に景色が流れ、空を駆け抜ける。
恐らく、他のメンバーでもまだ勝てないだろう。
他の任務に当たっている仲間は、文
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