ファンディスク:神話と勇者と断章と
白い王城のある日の一幕
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相対することは無いわけだ」
「ふぅん……なら────」
その時。アルマを中心に、無数の刀剣類が出現した。
「──ここで見せてくれよ」
一瞬で距離をつめる刃達。それらは《主》の白いローブの表面に突き立──
「あぶないなぁ、もう」
──つ直前で、紅蓮く輝く半透明の障壁に阻まれた。
「なんのつもりだい?」
「君の実力を図ろうかと思ってね」
「ふぅん」
ゆらり、と立ち上がる《主》とアルマ。《主》の瞳が紅蓮色に輝き始める。
「いいよ。食後の運動は嫌いだけど──暇潰しにはなりそうだッ!!!」
バァンッ!!
空気の破裂する音。半透明の刃がアルマに襲いかかる。もし適当に放ったのであれば、宇宙のひとつでも破壊してしまうだろう。しかし、常軌を逸した速度で迫るそれを、アルマは危なげなく受ける。
神の一撃は、しかしアルマにダメージを与えられない。直撃の瞬間、アルマの力によってその存在が『嘘』に変えられたのだ。
「ちぇー、防ぐか……じゃ、始めようか」
「おいおい、今のは何だったんだい?」
「んー、予備動作?」
「くくっ、宇宙を打ち消す一撃が予備動作? 笑わせる……それなら僕にでもできる」
まぁね、と答えて、《主》はその右掌をアルマに向ける。
そして唱えられる、絶勝の詠唱、その一つ。
「──《惟神》──
《憤怒》 」
神を貫き、世界を終わらせる罪なる一撃。七色に光輝く神気の槍が、アルマを破壊しようと激震する。荘厳でありながら、世界の悲鳴を思わせる轟音。
アルマの『嘘化』の力が、神の槍を弾ききれない。
故に。
「シィぃぃッ!」
アルマは破壊する。純粋に、頂上の存在としてのステータスで。
「ふん、コピーとはいえ《惟神》の一撃をステゴロしちゃうか」
「今度はこっちの番だよ」
アルマの周囲の空間が歪む。無数の偽影の刀剣が、神殺しを誓って飛来した。
「──《惟神》──
《怠惰》 」
しかし減速。神の意思に抱かれた剣達は、自らの役割を忘れて停滞する。《怠惰》の神哭は世界を包み、世界の時間をただひとつと限定し──
「面白そうですねぇっ! 私も混ぜてくださいぃ!」
乱入者に打ち破られた。hackの放つ『確定死』の一撃が、神意を破壊したのである。もっとも、それを消滅に追い込むのは《白亜宮》全体の特性上不可能であるのだが。
「へぇ、来るかい──ならそれ相応の舞台が必要だな」
二対一。しかし白き王座の主は笑うだけ。
その口から漏れでるのは、これまで誰も聞いたことのない言葉。もはや言葉として成り
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