第4話
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!」
「よくやったチビ!」
いつの間にか戦闘不能になっていたはずのチビが女性を羽交い絞めにしていた。
「動くんじゃねぇぞ? そしてそこのガキィ…、よくもやってくれたな!!」
「っ!?あぅ!」
「斗詩ィッ!?」
剣の腹で叩かれ倒れた斗詩の周りには力なく倒れ伏した三人の敵…、そのどれもが致命傷を 負っていて事切れていた。
再び斗詩に目を向けると、打ち所が悪かったのか頭から血を流し気絶していた。
「クソが、見てくれがいいから売り飛ばそうとも思ったが…、仲間の仇だ…」
そして大男は剣を掲げ―――
「死ね」
その瞬間袁紹の中で何かが弾け大男の許に一瞬で移動し振り下ろされる剣を、
ガキンッ!
と横から斬撃を合わせ弾いた。
「てめぇっ、ひと―――!?」
たまらず大男が「てめぇ、人質が目にはいらねぇのか」と言おうとしたものの最後まで言葉をだすことが出来なかった。
なぜなら―――
「ゴブァッ!!」
男の喉はすでに切り裂かれたのだから―――
「「「!?」」」
人質がいるにもかかわらず動いた袁紹と、彼等の中で一番の手練れの男がやられたこともあって、のこった三人は一瞬動きをとめてしまう、そしてそれは致命的な隙となり
ヒュヒュンッ
まるで風を切るような音をだしながら近くにいた二人の敵の間を袁紹が通り過ぎる。
「「?」」
そして首を斬られていたのにも気づかずに倒れた
「ひ、ひぃぃぃっ」
一瞬にして仲間全員がやられ悲鳴を上げたチビを見ると、女性を羽交い絞めにしているその手には凶器は握られていなかった。
「ちくしょうっ!」
近づいてくる袁紹に、自分が素手だと感づかれたことを理解したチビは女性を袁紹に向けて、突き飛ばし逃走を図った。
袁紹は突き飛ばされた女性を左手で受け止め…
ヒュッ
「があっ!?」
横を通り過ぎようとしたチビの喉を剣を持った右で突いた。
………
……
…
「あ、あの…」
「っ!?、斗詩!!」
少しの間放心していた袁紹は腕の中にいた女性の声で意識を戻し斗詩の許へと駆け寄り
「…血が出ているが傷は浅い、生きている!」
斗詩が無事なのを確認して心の底から安堵した。
「わ、私人を呼んできます!」
「…ああ、頼む」
走り出す女性を一瞥し斗詩に止血を施した後、袁紹は再び放心した。
………
……
…
―――その後、衛兵を引き連れ駆けつけた猪々子達により事態は収束へと向かった。
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