第4話
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「もらったぜぇ」
鍔迫り合いとなれば力の強い自分に分があるのは当然、大男は勝利を確信したが―――
袁紹はそんな男の考えを無視するかのようにわずかな力で相手の剣に巻きつくようにして中段での鍔迫り合いを下段に 持っていった後、
「――ハッ」
全力で上に巻き上げた。
「うぉおっ!?」
力をこめて握っていた持ち手を捻られるようにして巻き上げられたため大男はたまらず手を離した。
そして宙に舞った剣は、大男の後ろの地面に刺さるように落ち静止した。
「てめぇっ、何しやがった!?」
武とは程遠い暴力と呼ばれる世界に身を置いてきた大男には、何が起こったのか理解できず苦し紛れに声を荒げた。
大男に抵抗する手段がなくなったと思い斗詩の様子をチラッとみてみると、すでに終わっていたようで地面にはチビが苦しそうに倒れている。 とくに外傷が無い様子を見るとどうやら峰打ちされたようだ。
「さぁ、おとなしく――「かしらぁっ!!」
お縄につけ、と口にしようとしたところで後方から声が迫ってきた。
「お、おお良く来たなおめぇらっ!」
後ろを向くと大男の仲間であろう者達が五人、それを一瞥した袁紹は斗詩と女性の場所にかけよる。
「斗詩その女子を後ろに下げて守れ!」
「は、はい!」
斗詩は指示通りに女性を自分の後ろに隠し、剣を構えた。 そしてそんな二人を前に立ち袁紹も再び正眼に構える。
(まずいまずいまずい!)
敵の数は戦闘不能となったチビを外し、いつのまにか剣を拾いなおした大男を加えて六人… 『本来』なら問題無い数である。 では何故袁紹はこれ程までに慌てているのか、彼にはあるものが欠けていた。
「てめぇら、油断すんじゃねぇぞ…、複数であたるんだ」
仲間に合流して指示する大男の目に先ほどのような油断は消えていた。
「おらあぁっ!」
「クッ…」
「麗覇様!」
そして大男とその仲間二人を加えた三人が袁紹に斬りかかって来た。 一対一ならばこそ先ほどのような剣を弾くという芸当が出来たのだ、複数で斬りかかる者達にそれをする余裕は今の袁紹には存在しなかった。
「ちぃ、ちょこまかと」
迫る斬撃を避け、かわしきれないものは受け流すことで対処したが、袁紹は防戦一方になっていた。
実は斬りかかれなかった訳ではなく、斬撃に対処しながら隙を何度も見逃していた。―――そう、斬りかかれないのでは無く、斬りかからなかったのだ。 そしてその隙にのこった三人は斗詩と女性の方に迫っていった。
「捕まえたぁっ!」
状況に変化があったのは、それから何合か斬撃を対処した頃である。 聞きなれない悲鳴を
聞いた袁紹が顔を向けると、
「へへへ、おらっ大人しくしな
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