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恋姫†袁紹♂伝
第4話
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女性は暴れていたにもかかわらず、周りの人間に彼女に気が付いた様子の者はいなかった。 それか気が付いてなお見てみぬふりをしているのか…あるいはその両方か、どちらにしろ袁紹の中にはそんな選択肢は存在しなかった

「所用が出来た、猪々子我らの分も買っておいてくれ斗詩―――ついて来い」

「がってん!」

「え、どうかしたんですか?麗覇様」

急な話題転換に驚き、返事をした猪々子とは違い斗詩は疑問を問いただそうとしたが―――
一刻の猶予もないかもしれぬその状況に説明を放棄して走り出す袁紹、そして少し遅れて斗詩が付いて来た。

………
……


薄暗い路地裏の袋小路になった場所に着くとそこには、女性に跨り組み敷く大きな男とそれを近くで見ている大男の仲間であろう小柄な男が居た。
 組み敷かれている女性に目をやると服がはだけており、おそらく抵抗した時のだろう殴られた跡があった。

「あなた達…、なにしてるんですか」

目の前の状況から今までの経緯を察しさらにこの後おきるであろう悲劇を察した斗詩は、普段の様子から一変し怒りを露にし低い声で男達に問いかける。よく見るといつの間にか抜刀していた

「っ!?なんだガキじゃねぇか、驚かしやがって…」

「ここはガキの来るとこじゃないぜぇ?」

「馬鹿野郎!、衛兵呼ばれる前に始末するぞ!」

「え?、でもまだガキ…わかりやした」

袁紹と斗詩の姿を確認すると大男は一旦組み敷いていた女性から離れ立ち上がり剣を抜いた。女性ははだけた服を直しながらこちらに心配そうな視線を送ってきたが、袁紹は「安心しろ」と言わんばかりに目を合わせた後抜刀した。

「斗詩、お前は左のチビを…『俺』は大男を相手する。殺すなよ?、生きて罪を償わせる。」

「はい!」

初めての実戦を前にして気が高まっていた袁紹は、一人称が前世で使っていたものに戻っていた事には気づかずいつもの鍛練の時のように正眼に構えた。

「なぁんだてめぇら?俺達と殺り合おうってのかぁ?」

ククク、と下品に肩を震わせ剣を此方に向けながら大男が嗤う。それもそのはず、彼から見た袁紹たちは成長期の最中で背は大男の半分しかなく、袁紹が『チビ』と仮称した男と同じくらいの身長だった。 

「―――フゥ」

袁紹は脅迫めいた男に反応をみせず昂った体を抑えるべくため息をするように息を吐いたが…

「てめぇ…、なめんじゃねぇっ!」

それを余裕と感じた大男は憤慨し、およそ斬ることには適さない刃こぼれした粗末な剣で上段から斬りかかって来た。
 体重をのせず腕力だけの力任せの斬撃…、その剣速は袁隗達と鍛練を重ねてきた袁紹には避けるには容易かったが… 

キィン!

あえて受け鍔迫り合いにもっていった。
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