1部分:第一章
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は石の道も塗れて端から入るネオンの光がその道の水溜りに映されている。そして道行く人々も傘をさして行き交っている。彼はその中で馴染みの店に行こうと思ったのである。
安いが美味い店だ。しかし場所が今一つで人気のあまりない横丁を抜けなければならない。穴場だがそこそこ人気もある店だ。
そこに行くことにした。そうしての人気のない横丁を進むとだった。店の建物の裏手のところを通っていたがそこで声をかけられたのである。
「なあおっちゃん」
「んっ?」
小僧の声だった。それに反応する。
声がした方を見るとそこに小柄な小僧がいた。頭は丸坊主で紺に白い小さな模様のある着物を着ている。足は下駄でやけに人なつっこい顔をしている。その小僧が声をかけてきたのだ。
そしてその手にあるのは。白い豆腐であった。それを差し出しながら彼に言ってきたのである。
「これ食べへん?」
「豆腐?」
「うん、豆腐や」
その人なつっこい顔での言葉だった。
「それやで」
「何でそんな豆腐を持ってるんや?」
噂には聞いていた。その豆腐を勧めてくる小僧はだ。安倍川との話も思い出していた。しかしこうして実際に会ってみると余計にわからなかった。
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