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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-15 紡ぐ未来のその先へ
Story15-5 アスナの元へ
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キリトside
俺はシャオンと別れたあと、ひたすら何もない真っ白な回廊を走っていた。
やがて、ユイが何もないところで止まる。
「どうしたんだ?」
「この向こうに通路が…………」
ユイが手で壁をなでると、その壁に青いラインが走り、四角く型どられたその内側が消滅した。
ユイが無言で通路へと踏み出すと、そのまま駆け出した。
ユイも待てないのだろう。その幼い顔に渇望の色が濃くなっているのをみて、俺はアスナが近いことを感じ取った。
先程と同じようなことを何度も繰り返した後、前方を白いドアが塞いでいた。
ユイは立ち止まることなく左手を伸ばし、そのドアを勢いよく開いた。
「……!!」
正面に、今まさに沈みつつある巨大な太陽が見えた。あの世界で見た夕陽にどことなく似ている。
しかし、そんな感傷的な気分に浸っている場合ではない。あの世界でのあの瞬間と違い……今、俺の隣にはアスナはいない。
足元に目を向けると、そこには恐ろしく太い木の枝があった。
俺は、そこで初めて、ここが何処なのか知った。
世界樹……リーファたちがあれほど夢見た、世界の頂。しかし……何もない。視線を巡らせても、どこにも空中都市はなかった。
中身のないギフトボックス……その言葉が非常に似合う。あれだけ空中都市のことを宣伝しておきながら、実際には何もない。
あれほど夢見ていたリーファに、どう説明すればいいのか…………
「許されないぞ……」
思わず呟いていた。この世界を動かしている誰か、何かに向かって。
でも……俺が先にやるべきこと、それは…………
「さぁ、ユイ……行こうか。ママを……アスナを助けに」
そう。俺はアスナを助け出すためだけにここに来たのだ。それを達成しなくては何も終わらないし、始まらない。
視界の端に僅かに光る何かを見た。その光を目指して、俺とユイは枝に刻まれた小道を走り出した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今にも発火しそうなほどの焦燥と渇望を無理やり抑えつけ、樹の上の道を進む。
あと少しで……この『少し』の時間が永遠にも感じられるほど長い。
木の葉の群れをくぐり、乗り越え、さらに続く道を走る。階段状の何かは翅を震わせて飛び越え、また進む。
やがて、前方に何かが見えた。
金属を縦横に組み合わせて作られた格子……いや、鳥籠だ。
俺たちが走る枝と平行に伸びている枝の先端にオーソドックスな形の鳥籠がぶら下がっていた。
俺は直感的に、あの中にアスナがいることを確信した。
右手を握るユイの手にも力が込められた。
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