第四十六話 横須賀その五
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「いいんだよ」
「確か海軍さんからカレー広まったのよね」
「コーヒーとか肉じゃがもな」
「そうよね」
「それでここはカレーとコーヒーの街なんだよ」
横須賀全体でこう宣伝している、街のあちこちにはそうしたことを書いている看板なりがあって結構目につく。
「海軍さんが兵隊さんの栄養の為に導入したらしいな」
「カレーって色々入ってるからね」
「そうそう、お肉やら野菜やらな」
「だから海軍さんはカレーを食べてたのね」
「今もな」
海軍の後継者と言っていい海上自衛隊もだというのだ。
「食ってるんだよ」
「そうなのね」
「まあ海自さんは海自さんで」
「アメリカ海軍はアメリカ海軍ね」
「これがアメリカ海軍なんだよ」
「豪勢ね」
向日葵はしみじみとした口調で言った。
「これだけのものを食べられて千円って」
「日本じゃ考えられないだろ」
「ちょっとね」
「これだけ食べていますと」
桜はピザを食べている、アメリカンテイストのそれを。
「太りそうですね」
「だからアメリカ人は」
菫がその桜に話す。
「肥満が」
「そういうことですね」
「けれどこれでもまだ」
「アメリカ全体では、ですね」
「カロリーが少ない方よ」
「しかも軍人さんは動くからさ」
薊も桜に話す、軍人は言うまでもなく戦う立場の人間であり常に身体を鍛える必要がありしかも肉体労働も多い。
「カロリー消費が凄くて」
「そんなに太っている方はいないのですね」
「ああ、そんなにさ」
実際にいないというのだ。
「むしろ海自さんより太っている人少ないかもな」
「海自さんは少しいるわね」
黒蘭が言った。
「太っている人が」
「ああ、船の中にいるとさ」
「航海中はあまり動かないから」
「そう、食うけれどさ」
食べて身体を動かさずにいればどうなるのか、それはもう言うまでもないことだ。
「船の中にいるとどうしても」
「そうなるわね」
「潜水艦の中なんか特に、よね」
「そうそう、あたし潜水艦のことは詳しくないけれど」
海上自衛隊の兵器の中でもその機密の重要度はかなり高い、それで薊も詳しいことは全く知らないのである。
「あの中にいるとな」
「特に動かないわね」
「狭いしな」
身体を動かすペースもないのだ。
「ロシアの原潜だと中にプールあるらしいけれど」
「えっ、プールあるの」
鈴蘭はジャガイモ料理を食べつつその話に驚きの声をあげた。
「潜水艦の中に」
「ロシアのはな」
「そんな潜水艦もあるのね」
「何か原潜ってでかいらしいからな」
普通のディーゼルの潜水艦よりもだ」
「三万トンとか聞いたな」
「三万トンって大きいのね」
鈴蘭にはぴんとこないことだった、それは他の面々も同じだ。薊にしても
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