第四十六話 横須賀その四
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「確かにね」
「味付けもいいんだよな」
「そうね」
「アメリカって大雑把な味付けって思われてるけれど」
「それが、なのね」
「少なく共海軍はさ」
薊はここでは日本語読みで言った。
「こうなんだよ」
「美味しいのね」
「何か陸軍はまずいらしいな」
「あっ、そうなの」
「これ陸自さんもな」
日本もそうだというのだ。
「まずいらしいな、飯が」
「そう、陸自さんは美味しくないわ」
菖蒲はまずはサラダを食べていた、そのうえで薊に言って来た。
「実際にね」
「やっぱりそうか」
「陸自さんの御飯は専門の人ではなく当番の人が作ってるから」
「つまり素人さんか」
「だからよ」
「まずいんだな」
「やっぱりお料理はプロの人か奥さんよ」
家庭の主婦も、とだ。菖蒲はオニオンドレッシングをかけたサラダを淡々と食べつつ淡々とした口調で話した。
「間違ってもね」
「素人さんが当番で作ったらか」
「よくないわ」
つまりまずくなるというのだ。
「どうしてもね」
「何で陸自さんだけそうなんだろうな」
「何でも昔は専門職の人がいたけれど」
「いたのかよ」
「その人達が変に増長したからと聞いたわ」
「増長?」
「御飯は自分達が作ってやっているから自分達が偉いと勘違いしたとか」
そうしたことがあって、というのだ。
「それでなのよ」
「当番制になったのか」
「そう言われてるわ」
「何か微妙な話だな」
「基本陸軍のお料理は美味しくないそうよ」
菖蒲はこのことは日本やアメリカだけでないとした。
「イタリア軍は別だけれど」
「ああ、あそこは」
「砂漠でパスタを食べていたとかデザートにジャラートを食べないと動けないとか」
「そりゃまたちょっとあれでしょ」
菊は焼いた肉、甘いソースをかけたそれを食べつつ呆れて言った。
「幾ら何でも」
「あくまで噂よ」
「本当に?」
「お料理が美味しいのは確からしいけれど」
「そうした話は噂なのね」
「多分ね」
「多分って」
本当のことかも知れないと思ってだ、また呆れた菊だった。
「イタリアって凄いわね」
「けれど美味しいものを食べられることが」
「ええ、それはいいわね」
菊は今度はしみじみとして言った。
「海自さんもそうだっていうけれど」
「けれど陸自さんは、だから」
「イタリア陸軍はそれでもなのね」
「美味しいと評判よ」
その料理がだ。
「世界の軍隊の中でも」
「食べものが美味しいといいですね」
桜もしみじみとして言う。
「まことに」
「それで海軍はおおむね美味いんだよ」
薊はまた一同に話した、肉料理をどんどん食べながら。
「ここだってそうだしさ」
「それで海自さんもなのね」
「ああ、カレーが特にさ」
向
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