第五幕その二
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「そうしますから」
「いいのね」
「はい、お気遣いなく」
「じゃあ私も」
桃を食べていた恵里香もいちじくの木を見て言うのでした。
「いちじくを」
「僕は葡萄を食べるよ」
「僕は次は林檎かな」
バナナと食べているジョージと梨を食べている神宝はこちらでした。
「そっちも美味しそうだし」
「それもかなりね」
「僕はメロンかな」
カルロスはたわわに実ったメロンをです、プラムを食べつつ見ています。
「あのメロン凄く美味しそうだね」
「メロンね、だったらね」
ベッツイはカルロスがメロンを見ているのを見て彼に答えました。
「切る必要があるから」
「だからですね」
「ええ、これをどうぞ」
こう言ってでした、カルロスに果物ナイフを差し出しました。それもちゃんと刃の方を持って柄のところから差し出します。
「使ってね」
「有り難うございます」
「メロンを切ってね」
「その中をですね」
「好きなだけ食べてね」
こう言うのでした。
「是非ね」
「わかりました」
「そうそう、ナイフで切っただけじゃ駄目よね」
ベッツイはカルロスがナイフを受け取ってからさらに言うのでした。
「それじゃあね」
「はい、それにですね」
「スプーンもどうぞ」
今度はスプーンを差し出したのでした。
「これも」
「有り難うございます、それじゃあ」
「メロンも美味しいから」
「物凄く美味しそうです」
カルロスはメロンをじっと見たままです、心から食べたいと思っていることがよくわかります。そのこともなのでした。
「今すぐ食べたい位です」
「カルロスってメロン好きなの?」
「実際そうですね」
「やっぱりそうなのね」
「大好きです」
好き以上にというのです。
「見ているだけで喉がなります」
「あら、本当に大好きなのね」
「見ているだけで」
それこそというのです。
「喉が鳴ります」
「じゃあどうぞ」
「はい、いただきます」
こうしてでした、カルロスはとても大きなメロンを自分から取ってそして切ってスプーンで食べるのでした。
そしてそのメロンを食べつつです、こうも言いました。
「こんなに美味しいメロンはそうは」
「ないっていうのね」
「ブラジルにも日本にもないです」
「そんなに美味しいの?」
カルロスのお話を聞いてでした、恵里香が顔を向けてきました。
「そのメロンって」
「うん、凄く美味しいよ」
「じゃあ一個貰おうかしら、私も」
「幾らでも食べていいっていうからね」
「それじゃあよね」
「食べていいわよ」
勿論とです、ベッツイは恵里香に答えました。
「そのメロンもね」
「それじゃあメロンも」
恵里香は実際にメロンを手に取りました、ベッツイは彼女にもナイフとスプーンを
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