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転生とらぶる
マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0952話
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表示されているのは当然帝国の……より正確にはこの門世界の文字であり、とあるリストだ。
 それが何のリストなのかに気が付いたのだろう。次第にピニャの顔が強ばり、その隣で同じく書類を見ていたボーゼスの顔も同様に強張っていく。

「アクセル殿、これはもしかして……」
「そうだ。以前にホワイトスターにお前達が来た時、捕虜が大量にいるって話をしただろ? その捕虜のリストだ。あの時に渡したのは名前だけのものだったが、こちらは捕虜の詳しい経歴や帝国軍のどこの部隊に所属していたかといったものが詳しく書かれている。色々と役立つだろ?」
「……ありがたく、受け取らせて貰う」

 イタリカを経由して集めた情報によると、帝国の中には未だに俺達を軽く見ている者がいるらしい。
 勿論現実をきちんと把握し、従属国の反乱に対処する為にもどうにかしなければならないと思っている者は多い。だが、それは逆に、自分達帝国であればこの程度の逆境はどうとでもなると楽観的に思っている者もいるという事だ。
 そんな楽観的な奴でも、自分達が派遣した身内がホワイトスターに……即ち、シャドウミラーの本拠地に捕らえられていると知ればどうするか。
 恐らくはピニャに味方して、何とかこちらから人質を取り返そうとするだろう。
 そう、まさに俺達の思い通りに身代金を払って。
 それはつまり、帝国の資金が……つまり国力が落ちるという事を意味している。
 1人や2人程度の人質ならそう大した金額にもならないだろうが、それが数万人規模であれば……さて、どうなるか。
 帝国の皇帝としてどう判断するのか見物だな。
 もし見捨てるような真似をすれば、従属国だけではなく貴族ですら帝国に対して反旗を翻す可能性もある。
 ただでさえ軍事力が疲弊している今の帝国に、そんな余裕はない。
 だが、ピニャはエザリアやレオンの考えた件について引っ掛かる様子もなく、笑みを浮かべて資料を受け取る。

「感謝する、アクセル代表。この資料のおかげで、日和見の者達を説得する事が出来るだろう」
「そうか、土産が役に立ってくれて嬉しい限りだ」
「本来ならアクセル代表達の歓迎の意味を込めて妾も宴に参加しようと思っていたのだが……」

 申し訳なさそうに視線を向けてくるのを見れば、何を言いたいのかはすぐに分かる。
 つまり、早速この資料を使って日和見の貴族達へと話を持っていきたいのだろう。
 この件に関しては、帝国の中で活発に動けば動く程にこちらとしても都合がいい。
 そうである以上、ここでピニャを咎めるつもりは一切なかった。

「分かった、こっちはこっちで楽しませて貰うから、そっちも頑張ってくれ。道は色々と険しいだろうが」
「うむ、そうだな。……おい、アクセル代表達を宴の間へ案内しろ。妾の客人である事をくれぐれ
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