マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0952話
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「ああ、その辺については聞いている」
正直、影のゲートを使えばアルヌスの丘に戻るのは難しくないんだが……イタリカで見せたとはいっても、そこまでの長距離転移が可能だというのをわざわざ教える必要もないしな。
かと言って、まさか俺達が帝都にある宿に泊まる訳にもいかないだろう。
もしそんな真似をすれば、この帝都を知らない俺達の事だ。間違いなく何らかの騒ぎに巻き込まれるのは間違いない。
他にも、強硬派の貴族辺りがいればこれ幸いと俺達を捕らえようとしてきても不思議じゃない。
現状で強硬派の貴族とかがいるのか? という疑問もある。何しろ俺達との戦いでは圧倒的に負け、帝国軍の兵力が低下した影響から、従属国の軍事力を減らすべく連合諸王国軍を結成するも、そこで被害を受けたのは帝国に対して友好的な国々ばかりで、帝国に対して思うところのある国は俺達との内応で殆ど被害を受けずに撤退し、その後帝国に対して反旗を翻して独立戦争を仕掛けている。
あるいは帝国が圧倒的に不利なこの状況をもたらしたのが俺達だとして、その辺を細かく考えていない貴族とかが帝都の中に俺達がいるのを知ればどう行動するのか……考えるべくもない。
何故俺達がごく少数でこの帝都に来たのかというのを考えもしないで暴走する、というのは普通にあるだろう。
そんな風に考えている間にも、ボーゼスが用意したのだろう。馬に乗った兵士が案内するままにバスは移動し、城の方へと向かっていく。
幸いにも現在通っているのは大通りなのでバスも普通に移動しているが、予想外に道路が狭い。恐らくバスが余裕をもって走ることが出来るのは、大通りとその周辺くらいだろう。
「へぇ、ここが帝都ねぇ。……何だか、随分と活気がないわね。それともこの世界ってこれが普通なの?」
窓から街並みを見ていたシェリルの言葉に、俺は首を横に振る。
「いや、イタリカなんかではもっと活気があったな」
「活気がない理由なんて決まってるだろ?」
そう告げたのは、俺の後ろの席に座っているムウ。
俺達と同じく窓を見ながらも、その表情に皮肉そうな笑みが浮かんでいた。
もっとも、その笑みの理由を想像するのは難しくはない。それこそ先程考えたように、この活気の無さが現在の帝国の状態を如実に現しているのだから。
沈む船から逃げるネズミではないが、現状では帝国がもう持たないと判断して帝都から逃げ出している人々も多い……といったところか。
そんな風に考えていると、やがて街中から人通りの少ない方へ……ただし、城からは若干道を逸れて進み始める。
そのままゆっくり40分程進み続けると、やがて豪華な建物が見えてきた。
このバスの速度なら、本来はここまで時間が掛かるなんて事はなかったんだが……まぁ、人通りの多い場所で時速30
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