5部分:第五章
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第五章
そしてだった。二人の周りを囲んでだ。
「じゃあパパ、ママ」
「これからね」
「楽しくやろうね」
「それじゃあね」
囲まれた二人はだ。ようやくであった。
「ではそれじゃあ」
「宜しくね」
やっと笑顔で言葉を出せた。そしてそれからだった。
「じゃあさ、ここはさ」
「僕がこうなって」
「私がそこをこうして」
「そうするんだね」
「うん、そうだよ」
文章を書いている夫が自分の机の周りをふわふわと飛ぶ幽霊達に話していた。
「君達はそうさせてもらうから」
「わかったわ、それじゃあね」
「楽しくやらせてもらうわ」
「今度もね」
彼等はそうなった。そしてである。
次はだ。妻だった。
妻も自分の席で周りをふわふわと飛ぶ幽霊達の言葉を受けてだ。そうしてやり取りをしていた。
「あっ、いい感じね」
「僕可愛く描いてくれてるね」
「私も。何か物凄く美人ね」
「有り難う」
「ママ、奇麗にしてくれてるね」
「だって貴方達だから」
だからだと言う妻だった。
「子供達だからね」
「そう、僕達はパパとママに創ってもらったからね」
「子供達になるよね」
「だからね、パパ、ママ」
満面の笑顔で二人に言う。
「これからもね」
「宜しくね」
「うん、こちらこそね」
「宜しくね」
今は笑顔を交えさせる彼等だった。二人にとって幽霊達はだ。今ではもう子供達だった。紛れなく子供達であった。彼等が創った。
創られたもの 完
2010・9・26
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