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歌集「春雪花」
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 桜 舞う

  夜半の月とて

   もの悲し

 愛しき君よ

    いつぞ来たらむ



 桜が舞散る夜の美しい月を見ても、物悲しくて仕方無い…。
 彼はいつ此処へ来るのだろう…。

 …いや…もう会いには来てくれはしないのかも知れない…。
 私は…その程度の人なのだから…。



 嘆きしも

  想いし罪の

   如何にして

 軽くなりしか

     春の日溜まり



 彼を想うという罪…嘆かない日はない。嘆いても仕方無いことは解っているつもりだが…余りに苦しい…。
 どうしたら私はこの苦しみから逃れられるのか…麗らかな春の日溜まりで、一人静かに考えた…。

 私が不条理なのか…それとも世界が不条理なのか…。もう、私には分からない…。




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